人気のエステサロンのメニュー戦略!集客・客単価が上がる作り方完全ガイド

この記事の監修者

㈱イレブン技術商品部 部長
インストラクター
村上 琴音(ムラカミ コトネ)

株式会社イレブンで商品開発とインストラクターを担当。資格と現場経験を活かし、個人サロンの成長を支援しています。

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エステサロンの成功は「メニュー戦略」で決まると言っても過言ではありません。この記事では、400以上のサロン様を支援してきた弊社イレブンが、2025年の最新トレンドを踏まえ、集客と利益を最大化するメニューの作り方を徹底解説します。開業準備中の方は必見の完全ガイドです。

目次

2025年最新|エステサロンのメニュー戦略

エステサロンの経営を軌道に乗せるには、時代に合ったメニュー戦略が不可欠です。本記事では、成功の土台となる市場の理解と、集客チャネルの特性に応じたメニューの考え方を解説します。まずは自店の立ち位置を正確に把握することから始めましょう。

市場トレンドと客単価・来店周期の基礎知識

メニュー戦略の第一歩は、市場動向と自店の数値を正確に把握することです。なぜなら、トレンドを無視したメニューは顧客に響かず、目標達成の根拠となる数値管理もできないためです。例えば、近年のメンズ美容やセルフケア需要の高まりをどう取り入れるか。そして「客単価15,000円×月間来店数100人」のような目標設定のためにも、まずは現状の数値を把握することが成功への近道となります。

イレブンからのアドバイス

市場トレンドを追うことは大切ですが、同時に「自店のコンセプトや強みで戦えるか」という視点も忘れないでください。また、数値を把握する際は「客単価」だけでなく、お客様がリピートするまでの期間を示す「来店周期」も非常に重要です。

集客チャネル別に効くメニュー特性(検索・SNS・紹介)

集客方法に合わせてメニューの見せ方を変える必要があります。各チャネルで情報を探すお客様の目的や心理状態が異なるからです。具体的には、検索エンジン経由のお客様には悩み解決型のメニュー、SNSでは写真映えする体験価値の高いメニュー、紹介であれば特典付きのプランが有効です。

【集客チャネル別メニュー特性の比較】

集客チャネル: 検索 (Google等)

  • ユーザーの目的・心理…悩みを今すぐ解決したい
  • 有効なメニュー特性の例…「毛穴徹底改善」「シミ集中ケア」など悩み解決型メニュー

集客チャネル: SNS (Instagram等)

  • ユーザーの目的・心理…憧れ・理想を体験したい
  • 有効なメニュー特性の例…「水光肌トリートメント」などトレンド感・写真映えするメニュー

集客チャネル: 紹介 (友人・知人から)

  • ユーザーの目的・心理…安心・信頼できる施術を受けたい
  • 有効なメニュー特性の例…「ご紹介者様限定プラン」など特典付き・特別感のあるメニュー

エステサロンの売れるメニュー設計の全体像

「売れるメニュー」は、感覚ではなく緻密な設計から生まれます。ターゲット顧客を深く理解し、競合との差別化を図り、利益がしっかり残る収益モデルを構築する。この一連の流れが不可欠です。ここでは、メニュー設計の根幹をなす4つのステップを具体的に解説していきます。

ターゲットと来店シーンの明確化(悩み・目的・予算)

「誰に、どんな時に来てほしいか」を具体的に設定することが重要です。ターゲットが曖昧では、メニュー内容も価格も誰にも響かない中途半端なものになってしまいます。例えば「30代後半、子育てが一段落し、シミ・たるみに悩み始めた女性。予算は月2万円」のようにペルソナを細かく設定しましょう。そうすることで、その方に響くメニュー名や内容、価格帯が自ずと見えてくるはずです。

競合調査と差別化軸の設定(技術・機器・体験設計)

自サロンだけの「強み」を明確にし、他店との違いを打ち出すべきです。同じようなメニューばかりでは、お客様は価格でしか判断できず、消耗戦に陥ってしまいます。例えば「地域で唯一の最新痩身マシンを導入する」「特定のハンド技術を極め、ゴッドハンドとして認知される」「上質な空間とカウンセリングで感動体験を提供する」など、何で勝負するのか差別化の軸を定めましょう。

収益モデルの設計(粗利・回数券・サブスク・LTV)

単発の売上だけでなく、長期的な利益(LTV)を意識した収益構造を構築することが安定経営の鍵です。リピート顧客の育成が不可欠だからです。各メニューの原価(材料費、光熱費など)を算出して粗利率を把握し、利益の出る価格設定を行いましょう。その上で回数券やサブスクリプションモデルを導入し、お客様が通い続けたくなる仕組みを作ることがLTV向上に繋がります。

イレブンからのアドバイス

多くのサロン様が価格設定で悩まれますが、最初に決めるべきは「目標粗利率」です。例えば「粗利率80%を確保したい」と決めてから、材料費や人件費を基に価格を算出します。原価から積み上げて価格を決めると、往々にして利益の少ないメニューになりがちです。確保したい利益から逆算することで、ブレない価格設定が可能になります。

引用:消費者庁「特定商取引法ガイド」

価格の適正化と値上げのロードマップ

価格は、サロンが提供する価値の証です。安易な安売りはブランド価値を損ない、経営を圧迫するため避けるべきでしょう。競合の価格帯や提供価値、ターゲットの予算感を総合的に判断し、自信を持って提供できる価格を設定してください。そして、技術向上や新機器導入、サービス拡充といった価値向上に合わせて、お客様が納得できる形で段階的に値上げしていく計画を立てておくことが重要です。

定番人気メニューの勝ち筋と型

エステサロンの経営を支えるのは、やはり定番の人気メニューです。しかし、ただメニューを並べるだけではお客様には選ばれません。ここでは、フェイシャルや痩身、脱毛といった主要メニューで確実に成果を出し、リピートに繋げるための勝ちパターンと具体的な設計方法を解説します。

【定番人気メニュー 成功パターンのポイント】

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メニュー カテゴリ勝ち筋のポイント(成功へのアプローチ)
フェイシャルアップセル動線で顧客単価を育成する
入口: 悩み別メニュー(例:毛穴ケア)
本命: 根本改善コースへ誘導(例:肌質改善)
追加: オプションで満足度と単価UP
痩身・ダイエット結果を約束する「部位別×回数」プラン
設計: 部位と回数を明確に設定(例:お腹集中8回)
維持: 変化の「見える化」(採寸・写真)でモチベーションを維持
脱毛ターゲットに合わせた専用プランを用意する
分析: 顧客層(学生、社会人等)のニーズを把握
提供: ライフスタイルに合ったプランを設計(例:学割、介護準備VIO)
バストケア体験から本命へ「信頼の橋」を架ける
導入: 不安を取り除く低価格の「体験メニュー」
誘導: 効果と安心感で高単価な「本命コース」へ繋げる
リラク・アロマ時間単価を下げない「付加価値」を設計する
演出: 施術以外の時間(カウンセリング等)で特別感を出す
組合: 高品質オプション(高級アロマ等)で客単価UP

【フェイシャル】悩み別ラインナップとアップセル動線

お客様の多様な悩みに応えるメニュー構成と、自然な上位提案への動線設計が鍵となります。フェイシャルを求めるお客様は、具体的な肌悩みを解決したいという明確な目的をお持ちです。例えば「毛穴洗浄コース」で効果を実感いただいた後、より根本的な改善を目指す「肌質改善集中コース」をご提案する。さらにオプションで「高濃度ビタミンC導入」を追加するなど、満足度を高めながら単価アップを実現する流れを構築しましょう。

【痩身・ダイエット】部位別×回数設計のベストプラクティス

痩身メニューは、結果を出すための最適な回数設計と、お客様のモチベーション維持が成功のポイントです。多くの場合、1回の施術で劇的な変化は難しいためです。例えば「気になる下腹部集中コース 全8回」のように、部位とゴールを明確にした回数券を主力に据えます。そして、毎回サイズ測定や写真撮影を行い、変化を可視化することで、お客様が最後まで通い続けてくれる仕組みを作ることが不可欠です。

【脱毛】ターゲット別プラン設計とリピート最適化

脱毛メニューの成功は、ターゲット顧客に合わせた料金プランを設計できるかにかかっています。全身脱毛を求める学生と、VIOだけを希望する社会人ではニーズが全く異なるからです。例えば「学割U24 全身脱毛プラン」や「介護脱毛準備 VIO3回プラン」など、ターゲットのライフスタイルや目的に寄り添ったプランを用意しましょう。また、部位追加やメンテナンスで再来店を促す仕組みも重要になります。

【バストケア】体験導入から本命メニューへの橋渡し

バストケアはデリケートな悩みだからこそ、信頼関係を築くための導入メニューが非常に重要です。多くのお客様が、施術への不安や恥ずかしさを感じているため、まずは体験メニューで安心感と効果実感を提供する必要があります。例えば「ふわふわバスト体験 60分」で背中やデコルテのケアから始め、リラックスした状態でお悩みをヒアリングし、本格的な「育乳集中コース」へ繋げる。この丁寧なステップが成功の鍵を握ります。

【リラク・アロマ】客単価を落とさない時間設計

リラクゼーションメニューでは、顧客満足度を維持しつつ、客単価を確保する時間設計が求められます。単に時間を長くするだけでは、サロンの回転率が下がり、利益を圧迫してしまうからです。例えば、施術時間を60分や90分に設定し、前後のカウンセリングやハーブティーの時間で特別感を演出します。また、高品質なアロマオイルのオプションや、ヘッドスパを組み合わせることで、時間あたりの単価を高める工夫が重要です。

これから流行りそうな最新メニュー候補

サロンの魅力を高め、競合と差別化するためには、定番メニューに加えて先進的なメニューの導入が効果的です。ここでは、美容業界で注目を集める最新のトレンドや、新たな顧客層を開拓する可能性を秘めたメニュー候補をご紹介します。時代の半歩先を行く戦略を取り入れましょう。

リフレクソロジー/アーユルヴェーdaの再評価

心身の繋がりを重視するホリスティックな考え方が、今改めて注目されています。ストレス社会において、表面的な美しさだけでなく、内面からの健康を求めるニーズが高まっているからです。例えば、足裏から全身の不調にアプローチするリフレクソロジーや、個々の体質に合わせたオイルを用いるアーユルヴェーダは、深いリラクゼーション効果を提供できます。既存のメニューとの組み合わせも効果的でしょう。

タラソテラピー・クリームバスの導入ポイント

非日常的な特別感を演出できるメニューは、サロンのブランド価値を高めます。タラソテラピー(海洋療法)やクリームバス(ヘッドスパ)は、まさにその代表格と言えるでしょう。導入の際は、世界観の構築が重要です。例えば、タラソテラピーであれば、フランス・ブルターニュ産の粧材を使用し、海の恵みを五感で感じられる空間を演出します。施術効果だけでなく、極上の体験を提供することがリピートに繋がります。

CBDケアの法令配慮とメニュー化の注意点

リラックス効果が期待されるCBD(カンナビジオール)は、美容業界でも注目の成分ですが、導入には法令遵守が絶対条件です。特に、THC(テトラヒドロカンナビノール)を含まない、国内で正規に流通している化粧品登録済みの製品を選ぶ必要があります。メニュー化する際は、リラクゼーション効果を謳うに留め、治療効果を標榜しないようにしましょう。まずはCBDオイルを使ったハンドトリートメントなどから始めるのが安全です。

メンズ・マタニティなど新セグメント対応

市場の多様化に伴い、新たな顧客層へのアプローチが成長の鍵となります。特にメンズ美容市場や、妊産婦向けのケアは大きなポテンシャルを秘めている分野です。男性には皮脂や毛穴に特化したフェイシャル、マタニティケアでは、安全性を最優先し、経験豊富なスタッフが担当するリラクゼーションメニューなどが考えられます。専門性を打ち出すことで、新たな顧客層からの信頼を獲得できるでしょう。

ハンドかマシンか、それともハイブリッドか

「ハンド技術」と「美容マシン」、どちらを主軸に据えるかはサロンのコンセプトを左右する重要な選択です。それぞれに明確な強みと限界が存在します。ここでは両者の特性を比較し、お客様の結果と満足度を最大化するための最適な組み合わせについて考察します。

ハンドの強み・限界と指名化の設計

ハンド技術の強みは、お客様一人ひとりの身体に合わせた微細なアプローチと、施術者との温かいコミュニケーションにあります。これが高い顧客満足度と指名に繋がります。しかし、技術者の経験や体調に結果が左右されやすいという限界も認識すべきです。この点を補い、施術者を「ブランド化」するためには、独自のトリートメントメソッドを確立し、指名料制度を導入するなどの仕組み作りが有効になります。

マシンの強み・限界と回収計画(導入→90日回収の考え方)

美容マシンの最大の強みは、誰が施術しても安定した高い効果を再現できる点にあります。これにより、少ない人数でも効率的に売上を上げることが可能です。一方で、導入コストが高額になるというデメリットがあります。そのため、導入前に「90日で投資回収する」というような明確な計画が不可欠です。体験会や導入キャンペーンを企画し、短期集中で売上を最大化する戦略を立てましょう。

イレブンからのアドバイス

重要なのは、導入前に「いつまでに・いくら売り上げるか」という具体的な数値計画を立て、スタッフ全員で共有することです。目標があることで日々の行動が変わり、結果に繋がります。この計画があるかないかで、導入後の成果は大きく変わります。

ハイブリッド設計で体感と結果を両立する

これからのエステサロンでは、ハンドとマシンを組み合わせたハイブリッド設計が主流となるでしょう。それぞれの長所を活かし、短所を補い合うことで、お客様の満足度を最大化できるからです。例えば、最新の痩身マシンで脂肪にアプローチした後、ハンドドレナージュで丁寧に老廃物の排出を促す。このように「結果」と「体感」を両立させることで、他店にはない独自の価値を提供できます。

業務用美容機器でメニューを強くする

業務用美容機器の導入は、サロンのメニューを劇的に強化し、収益性を高めるための強力な一手です。しかし、高価な投資だからこそ、失敗は許されません。ここでは、賢い機器選定の基準から、導入後の効果を最大化するための運用ノウハウまでを具体的に解説します。

導入判断の基準(効果・再現性・メンテ・消耗品)

美容機器を選ぶ際は、4つの基準で総合的に判断することが不可欠です。特に見落としがちなのが消耗品コストで、これが収益を圧迫するケースも少なくありません。導入前にデモ体験を行い、ランニングコストまで含めた収益シミュレーションを徹底しましょう。

【美容機器 導入判断の4基準】

  • 効果…確かなエビデンスがあり、顧客満足度の高い効果が出せるか
  • 再現性…スタッフの技術力に依存せず、誰が使っても安定した結果を出せるか
  • メンテナンス体制…故障時のサポートは迅速か、代替機の貸出はあるか
  • 消耗品コスト…ジェルやカートリッジなど、ランニングコストは収益を圧迫しないか

体験設計:ビフォーアフター・写真・カウンセリング台本

高価な機器メニューを契約いただくには、お客様に「自分もこうなれる」と未来を想像させることが重要です。そのために、説得力のあるビフォーアフター写真の用意と、感動を演出する体験フローを設計しましょう。「今日はこのお悩みが、こう変わりますよ」と宣言してから施術に入り、終了後には鏡や写真で変化を確認いただく。この一連の流れをカウンセリング台本に落とし込み、スタッフ全員で共有することが成功の鍵です。

機器×運用で粗利を最大化するメニュー束ね術

導入した機器の利益を最大化するには、他のメニューと組み合わせる「束ね術」が有効です。機器単体のメニューだけでは、価格競争に陥りやすくなるためです。例えば、痩身マシンのコースに、食事指導やハンドトリートメント、ホームケア商品を組み合わせてパッケージ化する。これにより、メニューの付加価値と専門性が高まり、高単価でもお客様に選ばれる強力なオリジナルメニューが完成します。

メニュー名・説明文・写真の作り方

どんなに素晴らしいメニューも、その魅力がお客様に伝わらなければ意味がありません。メニュー名、説明文、そして写真は、お客様が予約を決める際の重要な判断材料です。ここでは、お客様の心を掴み、予約ボタンを押させるための表現技術と、遵守すべきルールを解説します。

効果が直感で伝わるネーミング(トレンド語の適切活用)

メニュー名は、お客様が最初に目にする情報であり、一瞬で効果をイメージできるかどうかが勝負です。専門用語を避け、お客様が使う言葉で語りかけることが重要です。「ハイドラフェイシャル」よりも「毛穴ごっそり洗浄コース」の方が、効果は直感的に伝わります。また、「水光肌」や「ガラススキン」といったトレンドワードを適切に取り入れることで、美意識の高いお客様の関心を引くことができるでしょう。

禁止表現とコンプライアンス(薬機法・景表法の基本)

エステサロンの広告表現は、薬機法と景品表示法によって厳しく規制されています。これらの法律を遵守しなければ、罰則の対象となる可能性があります。例えば、「シミが消える」「必ず痩せる」といった断定的な表現や、医学的な効果を謳うことはできません。「キメを整える」「肌を引き締める」など、化粧品の効能効果の範囲内で表現することを徹底しましょう。

イレブンからのアドバイス

薬機法や景品表示法は、年々解釈やSNSでの監視が厳しくなっています。自分では問題ないと思った表現が、意図せず違反となるケースも少なくありません。特にビフォーアフター写真の加工や、「〇〇様も絶賛!」のような優良誤認を招く表現には注意が必要です。「迷ったら使わない」を徹底し、必要であれば地域の保健所や専門家への確認をおすすめします。

引用:消費者庁「景品表示法」

引用:厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

所要時間をあえて明記しない戦略と例外判断

メニューに所要時間を明記しないことは、有効な戦略となり得ます。なぜなら、お客様一人ひとりの状態に合わせて最適な施術を提供できる「オーダーメイド感」を演出できるからです。また、施術後のカウンセリングや着替えの時間を含めると、誤解を招く可能性もあります。ただし、リラクゼーションメニューのように時間単位で満足度が測られるものや、Web予約システムで時間枠の確保が必須の場合は、明記するのが親切でしょう。

写真・ビジュアルで“体験の質”を可視化する

写真は、文字情報の何倍もの情報量を一瞬で伝えることができます。サロンの清潔感、施術の心地よさ、スタッフの雰囲気など、「体験の質」をビジュアルで可視化することが重要です。単に施術中の写真だけでなく、美しいハーブティーや高級感のあるタオル、お客様がリラックスしている表情などを撮影しましょう。プロのカメラマンに依頼することも有効な投資です。質の高い写真は、サロンのブランドイメージを大きく向上させます。

メニュー表(紙・Web)の情報設計

メニュー表は、単なる料金表ではなく、サロンの魅力を伝え、お客様の期待感を高めるための重要なコミュニケーションツールです。見やすく、分かりやすく、そして選びやすい情報設計が求められます。ここでは、紙とWeb、それぞれの媒体特性を考慮したメニュー表の作り方を解説します。

必須情報の優先順位(名称/内容/価格/効果)

分かりやすいメニュー表の基本は、情報の優先順位付けです。お客様が最も知りたい情報から順番に配置することを意識しましょう。一般的には、①お客様の興味を引くメニュー名、②具体的な施術内容、③明確な価格、④得られる効果(ベネフィット)の順が最適です。特にWebでは、最初に全体像を見せ、クリックすると詳細が表示されるなど、情報を階層化する工夫も有効となります。

主力メニューとオプションの区分・見せ方

サロンが本当に売りたい「主力メニュー」が埋もれないよう、見せ方を工夫する必要があります。主力メニューは写真付きで大きく、目立つ位置に配置しましょう。一方、オプションメニューは、主力メニューの近くに「ご一緒にいかがですか?」といった形で配置すると効果的です。例えば、フェイシャルコースの下に「オプション:ヘッドマッサージ 10分 ¥1,500」と記載することで、自然な単価アップを狙うことができます。

価格表示のルール(総額表示・税表記の統一)

価格表示は、お客様に無用な不信感を与えないよう、ルールを徹底することが極めて重要です。2021年4月から義務化された「総額表示」を必ず守り、消費税込みの価格を記載しましょう。「¥10,000(税込)」のように、税込であることが明確に分かるように表記します。また、メニュー表全体で「税抜」「税込」の表記が混在しないよう、必ず統一してください。こうした細部への配慮が、サロンの信頼性を高めます。

デザインはサロンのコンセプトに合わせる

メニュー表のデザインは、サロンのブランドイメージを伝える重要な要素です。サロンのコンセプトに合わせたデザインで、世界観を統一しましょう。例えば、高級感をコンセプトにするなら、シンプルで余白を活かしたミニマルなデザインに。オーガニックやナチュラルがテーマなら、アースカラーを基調とし、手書き風のフォントを使うのも良いでしょう。内装やウェブサイトとデザインのトーンを合わせることが、ブランド構築に繋がります。

メニュー表の作成方法と選び方

メニュー表を実際に作成するには、プロに依頼する方法と、自分で作成する方法があります。どちらが良いかは、サロンの状況や予算、求めるクオリティによって異なります。ここでは、それぞれの作成方法の具体的な進め方と、メリット・デメリットを比較し、最適な選び方を解説します。

プロに依頼する場合の要件定義と相場感

デザインのクオリティを重視するなら、プロのデザイナーに依頼するのが最善です。依頼する際は、サロンのコンセプト、ターゲット顧客、希望するデザインのイメージ(参考画像など)を明確に伝える「要件定義」が成功の鍵となります。相場は、デザインのみで数万円から、写真撮影やコピーライティングまで含めると10万円以上になることもあります。複数のデザイナーから見積もりを取り、実績を確認して慎重に選びましょう。

自作する場合:テンプレート/デザインツール/手書き

コストを抑えたい場合や、頻繁に内容を更新したい場合は、自作がおすすめです。最近では「Canva」のような無料のデザインツールを使えば、豊富なテンプレートを活用して誰でも簡単におしゃれなメニュー表が作れます。また、温かみや個性を出したい場合は、手書きのメニュー表も魅力的です。パソコンが苦手な方でも、WordやPowerPointのテンプレートを使えば、基本的なメニュー表は作成可能です。

それぞれのメリット・デメリット比較

プロへの依頼は高品質なものができる反面、コストと時間がかかります。一方、自作はコストを抑えられ、いつでも修正できる点がメリットですが、デザインのクオリティを保つにはスキルが必要です。サロンのフェーズや予算に応じて、使い分けるのが賢い選択です。

【メニュー表作成方法のメリット・デメリット】

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作成方法メリットデメリットこんなサロンにおすすめ
プロに依頼・高品質で信頼性が高い
・デザインの手間が省ける
・コストと時間がかかる
・修正に手間がかかる
・開業時でブランディングを重視したい
・デザインに自信がない
自作・コストを抑えられる
・いつでも自由に修正できる
・素人感が出る可能性がある
・デザインのスキルが必要
・頻繁にメニューを更新したい
・コストを最優先したい

予約導線と客単価アップの仕組み化

魅力的なメニューが完成したら、次はお客様がスムーズに予約し、そしてより高い価値を感じていただける仕組み作りが重要です。メニュー表から予約完了までを最短化し、お客様の満足度を高めながら自然と客単価が向上する。そんな理想的な流れを設計する方法を解説します。

  • ストレスフリーな予約導線を構築する
  • 「体験」から「本命契約」への流れを設計する
  • LTV(顧客生涯価値)を高める仕組みを連動させる

予約フォーム・LINE導線・回遊の最短化

お客様が「予約したい」と思った瞬間に、ストレスなく行動できる環境を整えることが不可欠です。メニュー詳細ページのすぐ下に予約ボタンを設置したり、公式LINEから直接予約できるようにしたりと、予約完了までのステップは1つでも少なくしましょう。お客様を迷わせる複雑なウェブサイトの回遊は離脱の原因になります。目的のメニューから予約フォームまで、常に最短距離で到達できる設計を心がけてください。

体験→本命メニューへのクロスセル設計

新規顧客の獲得には、心理的・金銭的ハードルの低い「体験メニュー」が有効です。そして、その体験で得た信頼を元に、利益率の高い「本命メニュー」へ繋げるクロスセルの設計が収益化の鍵となります。体験施術中に、お客様のお悩みを深くヒアリングし、その解決策として本命メニューを「あなただけの特別プラン」として提案しましょう。体験当日の契約特典を用意することも非常に効果的です。

回数券・サブスク・ホームケア連動でLTV強化

サロンの経営を安定させるには、LTV(顧客生涯価値)を高める視点が欠かせません。そのための施策が、回数券やサブスクリプション、そしてホームケア商品の販売です。施術効果を最大化し、維持するためには継続的なケアが必要であることを伝え、お客様の美を長期的にサポートするパートナーとなりましょう。これらを組み合わせることで、お客様一人あたりの売上を最大化し、安定した収益基盤を築くことができます。

運用と継続改善(ブラッシュアップ)のループ

メニューは一度作ったら終わりではありません。お客様の声や市場の変化に対応し、常に改善を続けることで、サロンは成長し続けます。ここでは、メニューを常に最高の状態に保つための、運用と改善のサイクル(PDCA)を回していく具体的な方法について解説します。

利用者の要望・口コミの反映プロセス

お客様の声は、メニュー改善のための最も貴重な情報源です。施術後のアンケートや、ポータルサイトの口コミを定期的にチェックし、ご要望やご不満の声を真摯に受け止めましょう。例えば「もう少しデコルテまで流してほしかった」という声が多ければ、オプションメニューとして追加したり、既存メニューの工程を見直したりします。この改善プロセスを仕組み化することが、顧客満足度の向上に直結します。

海外・SNSトレンドの検証とA/Bテスト

常に新しい情報にアンテナを張り、トレンドをキャッチアップする姿勢が重要です。海外の美容トレンドや、SNSで話題になっている施術などを参考に、自店で導入できそうなものがないか検討しましょう。新しいメニューを導入する際は、まず期間限定メニューとして提供し、お客様の反応を見るA/Bテストを行うのがおすすめです。需要があると判断できれば、本格的にグランドメニューに加えるという手順を踏むと、リスクを最小限に抑えられます。

月次で見直すメニューKPI(CVR・単価・リピート)

感覚だけに頼らず、データに基づいた客観的な判断でメニューを見直す習慣をつけましょう。毎月、「どのメニューが一番予約されているか(CVR)」「どのメニューが客単価を押し上げているか」「どのメニューがリピートに繋がりやすいか」といったKPI(重要業績評価指標)を確認します。数字を見ることで、人気のないメニューの廃止や、収益性の高いメニューへの注力など、的確な改善策を立てることができます。

失敗しないメニュー作成の最終チェックリスト

新しいメニューをリリースする前には、思わぬ見落としがないか最終確認することが大切です。ここでは、法令遵守から収益性、現場のオペレーションまで、多角的な視点でチェックすべき項目をリストアップしました。公開前の最後の砦として、ぜひご活用ください。

表示・価格・法令順守のセルフ点検

メニューを公開する前に、誤りがないか必ずセルフチェックを行いましょう。特に法令遵守はサロンの信頼に関わる重要なポイントです。誇大広告になっていないか、お客様に誤解を与える表現はないか、客観的な視点で見直すことが失敗を防ぎます。

  • 価格は消費税込みの「総額表示」になっているか?
  • 薬機法・景品表示法に抵触する「治る」「消える」などの表現はないか?
  • 誤字脱字はないか?

人員スキルと提供可能数の整合性

魅力的なメニューを作っても、それを安定して提供できる体制がなければ意味がありません。サロン全体として、1日に提供できる上限数を把握し、無理のない予約受付を行いましょう。

  • スタッフ全員が同じ品質でサービスを提供できるか?
  • 特定のスタッフにしかできないメニューの場合、予約が集中しすぎないか?
  • 1日に提供できる上限数を把握しているか?

収益性と在庫・消耗品コストの管理

最終的に、そのメニューがサロンに利益をもたらすものになっているか、数字の面から再確認します。どんぶり勘定ではなく、緻密なコスト管理が安定経営の基本です。

  • メニューの粗利率は目標をクリアしているか?
  • 1回あたりの施術時間と人件費は見合っているか?
  • 専用の消耗品在庫を過剰に抱えるリスクはないか?

よくある質問(FAQ)

メニュー戦略を考える上で、多くのサロンオーナー様が抱える共通の疑問があります。ここでは、特にご質問の多い3つのテーマについて、私たちイレブンのコンサルタントが具体的にお答えします。経営判断の参考にしていただければ幸いです。

価格はどう決めるべき?相場との付き合い方

価格設定は、単に地域の相場に合わせるだけでは不十分です。

まずは、①メニューにかかる原価、②サロンのブランド価値、③ターゲット顧客の予算感を総合的に考慮して、利益が確保できる価格の着地点を探りましょう。相場はあくまで参考情報です。もし相場より高く設定するのであれば、最新機器や高い技術力など、価格に見合うだけの「付加価値」をお客様に明確に伝えることが重要になります。

施術時間は表示した方が良い?ケース別判断

一概にどちらが良いとは言えず、メニューの特性によって判断すべきです。リラクゼーションメニューのように「時間」そのものが価値となる場合は「アロマトリートメント90分」のように明記した方が親切です。一方、お悩みに合わせて施術内容を組み立てるフェイシャルなどは、あえて時間を明記せず「オーダーメイド」感を出す戦略も有効です。Web予約システムを利用する場合は、枠を確保するために目安時間を記載する必要があります。

機器は購入・リースどちらが得?回収の考え方

これはサロンの資金状況や事業計画によって異なります。「いつまでに投資を回収できるか」という視点が重要です。その機器が生み出す売上を予測し、明確な回収計画を立ててから判断しましょう。

【業務用美容機器「購入」vs「リース」詳細比較表】

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比較項目購入 (Purchase)リース (Lease)
初期費用高い
(本体価格の一括払い、または多額の頭金が必要)
低い
(月額料金のみで導入可能。保証金等が別途必要な場合もある)
総支払額リースより安価
(金利や手数料がかからないため)
購入より割高
(リース会社の金利や手数料が上乗せされるため)
所有権自社(サロン)の資産になるリース会社の資産
(契約期間中、借りて使用する形)
会計処理固定資産として計上
・減価償却費として毎年経費化
・固定資産税の対象になる
経費として処理
・月々のリース料を全額経費にできる(※)
・資産管理の手間が少ない
最新機種への対応入れ替えがしにく
(旧機種は自身で中古品として売却する必要がある)
入れ替えがしやすい
(契約満了時に返却し、最新機種で新たなリース契約を結べる)
保守・修理自己責任・自己負担
(メーカー保証期間が終了した後は、修理費用がかかる)
契約に含まれることが多い
(動産保険や保守プランにより、突発的な修理費用のリスクが低い)
契約終了後自社のものとして残る
(そのまま使い続けるか、中古品として売却できる)
選択肢がある
(「返却」「再リース(割安)」「買取」から選べる)
資金繰り初期に大きな負担
(手元の現金が大きく減少する可能性がある)
負担が平準化できる
(手元の現金を温存し、他の投資に回すことができる)
こんなサロンに最適● 自己資金に余裕がある
● 1つの機器を長期間使い続けたい
● 長期的な総コストを抑えたい
● 開業時の初期投資を抑えたい
● 常に最新の技術・機器を提供したい
● 運転資金を手元に残しておきたい

まとめ|イレブンができること

本記事では、2025年の最新トレンドを踏まえたエステサロンのメニュー戦略を網羅的に解説しました。株式会社イレブンでは、この記事で解説した内容を、貴サロンの状況に合わせて具体的に実現するためのお手伝いが可能です。私たちの強みをご紹介します。

  • 機器選定・導入支援とスタッフトレーニング
    400以上のサロン様を支援してきた実績を基に、貴サロンに最適な一台をご提案します。導入後の実践的なスタッフトレーニングまで、責任を持ってサポートし、結果の出せる環境を整えます。
  • メニュー設計コンサル・台本作成・撮影支援
    「機器をどうメニューに落とし込めばいいか分からない」そんなお悩みもお任せください。高単価・高リピート率のメニュー設計から、カウンセリング台本の作成、写真撮影まで全面的にバックアップします。
  • 集客導線(SEO/LP/SNS)と全国500サロンの事例共有
    ウェブサイトのSEO対策、予約に繋がるLP制作、SNS活用まで、集客に関する導線設計をトータルで支援します。全国400以上の成功・失敗事例を基に、貴サロンに最適な集客戦略をご提案できるのが私たちの強みです。

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この記事を書いた人

イレブンのメディア事業部は、美容業界の最新トレンドや製品情報を取材・編集し、自社メディアやSNSで分かりやすく発信。サロン経営者とエンドユーザーを繋ぐ情報ハブとしてブランド価値と売上向上を継続的にサポートします。

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