この記事の監修者

㈱イレブン技術商品部 部長
インストラクター
村上 琴音(ムラカミ コトネ)
株式会社イレブンで商品開発とインストラクターを担当。資格と現場経験を活かし、個人サロンの成長を支援しています。
この記事の監修者
㈱イレブン技術商品部 部長
インストラクター
村上 琴音(ムラカミ コトネ)
株式会社イレブンで商品開発とインストラクターを担当。資格と現場経験を活かし、個人サロンの成長を支援しています。
メンズ美容市場の拡大は、サロンにとって大きなチャンスです。しかし、女性オーナー様にとって、男性顧客の受け入れは期待と同時に不安も大きいでしょう。本記事では、安全・安心を最優先しながら、高単価なメンズ顔エステを成功に導くメニュー設計と運営ノウハウを、美容機器商社・株式会社イレブンのコンサルタントが徹底解説します。
男性の美意識の高まりは、サロンにとって新たな収益機会です。特に清潔感を重視するビジネスマンや、肌悩みを抱える若年層に的を絞ることで、安定した集客が見込めます。ターゲットを明確にし、彼らの心に響くサービスを提供することが成功の鍵となります。
効果的なメニュー作りのためには、まず男性特有の肌悩みをデータで理解することが不可欠です。実際に調査によると、男性が最も気にしている肌悩みは以下の項目が上位を占めています。これらの悩みに応えることで、お客様の共感と信頼を得られます。
男性顧客を獲得するためには、彼らが通いやすい時間帯の設定が重要です。多くの男性、特にビジネスマンは、平日の日中に時間を作ることが難しい傾向にあります。そのため、平日の19時以降や、土日の午前中といった時間をメンズ専用枠として設けるのが効果的でしょう。ライフスタイルに合わせた柔軟な予約設計が、リピート率向上に繋がります。
女性客と男性客の動線を分けることは、双方の顧客満足度を高める上で極めて重要です。動線を分ける、あるいは専用時間帯を設けることで、男性客は「女性ばかりの空間は気まずい」という心理的ハードルを下げられます。同時に、既存の女性客も安心して通い続けられるため、顧客離れを防ぎ、結果として双方からの良い口コミが期待できるのです。
女性オーナーが安心してサロンを運営するには、毅然としたポリシーを最初に掲げることが不可欠です。性的サービスを一切提供しないこと、そしてスタッフとお客様双方の安全を最優先することを明確に打ち出しましょう。この姿勢が、トラブルを未然に防ぎ、健全なサロン経営の土台となります。
「性的サービスは一切行わない」という方針は、あらゆる媒体で明確に表示すべきです。ホームページや予約サイト、店内の掲示物、カウンセリング時の注意事項など、お客様の目に触れる全ての場所で具体的に明文化してください。誤解の余地を与えない毅然とした表示が、悪質な目的の来店者をフィルタリングし、サロンの品位を守ることに繋がります。
物理的な安全設計は、安心してサービスを提供するための基本です。例えば、施術は半個室やカーテン仕切りで行い、完全に密室にしない工夫が考えられます。また、防犯カメラの設置エリアを明示することも有効です。事前にルールを定めておくことで、万が一の事態を防ぎ、スタッフが安心して働ける環境を構築できます。
悪質な要求やハラスメントには、組織として断固とした対応が必要です。お客様からの不当な要求(カスタマーハラスメント)に対しては、厚生労働省も対策マニュアルを公開しています。これを参考に、事前に同意書で禁止事項を伝え、具体的な「お断り方テンプレート」や記録ルール、出入り禁止の基準を設けてください。スタッフ全員で共通認識を持つことが、身を守る最大の武器となります。
メンズ向けメニューは「短時間で結果がわかる」ことが重要です。初回は45〜60分程度で、効果をしっかり体感できる価格設定にしましょう。「毛穴レスな清潔肌へ」「若々しい印象を作る」など、男性が求める未来を具体的に提示する訴求が、メニューの魅力を高めます。
初回体験メニューは、45〜60分で満足度を最大化する構成が理想です。カウンセリングで悩みを引き出し、肌測定器で現状を客観的に提示。そして、最も効果が分かりやすい施術を短時間で凝縮して行います。最後に、持続に必要なホームケアを提案することで、お客様の信頼を獲得し、次回予約へのスムーズな流れを作り出すことが可能になります。
男性の多くが悩む毛穴問題には、「ディープクレンジレンジング」と「鎮静」を組み合わせたコースが定番です。超音波洗浄などで毛穴の奥の汚れを徹底的に除去し、美容成分の導入で肌を引き締めます。最後に、炎症を抑えるパックで鎮静させることで、施術直後から肌の滑らかさと透明感を実感いただけます。この変化の実感が、リピートに繋がる強力な動機付けとなるのです。
青ヒゲやカミソリ負けに悩む男性は非常に多く、フェイシャルとの相乗効果が高いのがヒゲ脱毛です。例えば、「毛穴ケアフェイシャル」と「口周りのヒゲ脱毛」をセットにしたメニューを用意することで、顧客単価アップが狙えます。肌を綺麗にしたいというニーズから、根本的なヒゲの悩みにアプローチする流れは、お客様にとっても合理的で、自然な提案となるでしょう。
導入する美容機器の特性を理解し、メニューと組み合わせることが成功の鍵です。それぞれの機器が持つ強みを活かし、男性客が求める「結果」を最短で提供するメニューを設計しましょう。弊社、株式会社イレブンが取り扱う機器を例に、最適な組み合わせをご紹介します。
機器名 | 特徴 | おすすめメニュー訴求 |
リブセラ | プラズマによる角質ケアと美容成分導入が得意。 | 「清潔感アップ速攻コース」として、美容エステが初めての男性向け初回体験メニューに。 |
---|---|---|
WINBACK | 高周波温熱による深部アプローチで、むくみ・たるみをケア。 | 「PC疲れ解消・輪郭すっきりコース」など、リラクゼーションと即時性を求める方向けに。 |
プラズマスター | 肌表面ケア+EMSリフトアップが同時に可能。 | 「30分集中エイジングケア」として、短時間で変化を実感したい忙しい方向けに。 |
NEQST | -4℃の強力冷却による高速ヒゲ脱毛。痛みが少ない。 | フェイシャルメニューとセットで回数券を提案し、長期的な顧客関係(LTV)を構築。 |
美容機器を選ぶ際は、「サロンの客層」と「提供したい価値」を明確にすることが重要です。例えば、若年層のニキビ・毛穴悩みに応えたいのか、それとも40代以降のエイジングケア需要を狙うのかで、最適な一台は変わります。各機器の特徴を比較することで、ご自身のサロンに最適な戦略が見えてくるはずです。導入に関するご相談は、いつでも弊社コンサルタントにお任せください。
男性客を受け入れる際は、女性オーナーならではの視点で「快適な空間」を維持することが不可欠です。ニオイ対策や衛生管理、スタッフの所作を徹底することで、既存の女性客も、新規の男性客も、そしてスタッフ自身も心地よく過ごせるサロン環境を守りましょう。
男性特有の汗や皮脂のニオイ対策は、サロンの清潔感を保つ上で必須です。更衣スペースには消臭スプレーを設置し、こまめな換気を徹底しましょう。また、使用済みタオルの回収動線を工夫し、施術スペースにニオイが滞留しないよう配慮が必要です。僅かな気配りが、サロン全体の印象を大きく左右します。
衛生管理を徹底するため、備品は使い捨てを基本とするのが賢明です。例えば、施術前の洗顔や剃毛を行う洗面スペースを整え、紙エプロンや使い捨てのスリッパ、ヘアバンドを用意します。お客様が触れるものを常に清潔に保つ動線設計を行うことで、衛生面での信頼性を高め、安心感を提供することができます。
お客様への対応は、誤解を招かないよう細心の注意を払い、施術フローを標準化することが重要です。例えば、「今からお顔に触れていきます」「タオルをおかけします」といった声掛けを徹底します。また、必要以上に体に触れない、丁寧なタオルワークを心掛けるなど、全てのスタッフが同じ高い基準で接客することで、クレームや無用なトラブルを未然に防ぎます。
メンズエステの価格戦略は、お客様が選びやすく、通いやすい仕組みを作ることが成功のポイントです。初めての方に向けた単発メニュー、リピーターに向けたお得な回数券、そして定期的な来店を促すサブスクリプションを組み合わせ、顧客のニーズに応えましょう。
初めての男性客にとって、多すぎるメニューは選択の負担になります。初回体験は、代表的な悩み別の3択に絞り込むことをお勧めします。
フェイシャルとヒゲ脱毛は、男性の美意識を同時に満たすことができる非常に相性の良い組み合わせです。両方の回数券をセットで購入いただくことで割引を適用し、お得感を打ち出しましょう。例えば、脱毛の周期(約1ヶ月)に合わせてフェイシャルの施術日を設定するなど、来店周期をサロン側で最適化する提案が、お客様の継続利用を力強く後押しします。
営業職や接客業など、第一印象が重視される職業の男性には、法人需要が期待できます。企業の福利厚生や研修の一環として、回数券を提案するのも一つの戦略です。その際、「研修費」や「セミナー代」など、経費として計上しやすい名目での領収書発行に対応できる体制を整えておくと、法人契約に繋がりやすくなります。
健全なサロン運営のためには、予約の入口段階でミスマッチを防ぐ仕組みが不可欠です。検索キーワードやSNSの表現に注意を払い、不適切な目的のユーザーをフィルタリングしましょう。予約フォームの設計を工夫することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
ブログ記事やWebページのタイトルには、ターゲット顧客が検索するであろうキーワードを的確に配置することがSEOの基本です。「〇〇(地域名) メンズフェイシャル」を軸に、「毛穴」「ヒゲ」「テカリ」といった具体的な悩みワードを組み合わせましょう。これにより、本気で肌質改善をしたいと考えている潜在顧客に、あなたのサロンを見つけてもらいやすくなります。
予約フォームは、お客様の情報を得るだけでなく、サロンのルールを伝える重要なツールです。肌の状態やアレルギーの有無といった既往歴の確認に加え、「当サロンの禁止事項(性的サービスの要求など)に同意します」といったチェックボックスを必須項目として設けましょう。これにより、予約段階でサロンのポリシーを理解していただくことができ、トラブル抑止に繋がります。
悪質な目的を持つユーザーからの問い合わせを防ぐため、予約フォームや問い合わせフォームにはNGワードの自動フィルター機能などを活用するのも有効です。また、予約規約の中に「禁止事項に触れる言動があった場合、即時サービスを中止し、返金には応じかねます」という一文を明記してください。事前に厳しい姿勢を明確にすることが、サロンとスタッフを守ります。
お客様の満足度を高め、リピートに繋げるには、一貫性のある標準オペレーションが欠かせません。カウンセリングから施術、アフターフォローまで、全ての工程で質の高いサービスを提供するための流れを確立し、スタッフ全員で共有することが重要です。
カウンセリングでは、お客様の悩みを丁寧にヒアリングし、理想の状態(ゴール)を共有することが大切です。同意を得た上で施術前の写真を撮影し、肌測定器で水分量などを数値化することで、変化が客観的に分かります。施術後、その変化を見せながら「次回は〇〇を目指しましょう」と具体的な再来提案を行うことで、お客様のモチベーションを高めることができます。
短時間でもお客様に満足いただくためには、効果的な施術の時間配分が鍵となります。例えば30分の施術であれば、クレンジングに3割、メインの施術(機器やマッサージ)に5割、鎮静・お仕上げに2割、といった配分が理想です。最も効果を実感できるメイン施術に時間を集中させることで、短い時間でも高い満足度を実現することが可能になります。
施術効果を持続させ、次回来店に繋げるためには、シンプルなホームケア提案が有効です。多くの商品を勧めるのではなく、「洗顔・化粧水・乳液」など、男性が毎日無理なく続けられる3点に絞って提案しましょう。「まずはこの3つから始めて、次回来店時に肌の変化を一緒に見ましょう」といった声かけ台本を用意することで、自然な流れで物販と再来促進ができます。
男性のお客様は、エステに通う目的が非常に明確な方が多い傾向にあります。「何を」「どうしたいのか」というゴールを初回カウンセリングで共有し、そこから逆算して施術計画やホームケアを提案する「論理的なアプローチ」が響きやすいです。感覚的な説明よりも、数値や写真といった客観的なデータを示すことを常に意識しましょう。
ビフォーアフター写真は強力な集客ツールですが、取り扱いには最大限の注意が必要です。お客様のプライバシーと権利を尊重し、同意の取得フローを徹底することが、信頼関係を損なわず、法的なトラブルを回避するために不可欠となります。
症例写真として利用する場合は、必ず書面で同意を取得してください。同意書には、使用媒体(HP、SNSなど)、顔の一部のみ使用、目元を隠すなどの匿名加工の有無を明記し、お客様に選択していただきます。もちろん「撮影・利用を一切許可しない」という選択肢も用意し、お客様の意思を最優先する姿勢を明確に示すことが信頼に繋がります。
安全な施術を提供するため、お客様の状態によってはサービスをお断りする基準を明確に定めておく必要があります。未成年者の場合は保護者の同意書を必須とする、飲酒されている方は施術をお断りするなど、具体的な対応をフローチャート化してスタッフ全員で共有しましょう。これにより、判断に迷うことなく一貫した対応が可能となり、リスクを管理できます。
万が一のトラブルに備え、返金や施術の中止、再予約に関する規約をテンプレートとして整備しておくことが重要です。例えば、「お客様都合のキャンセルによる返金ポリシー」や「ハラスメント行為があった場合の即時中止」などを明記します。事前に明確なルールを示すことで、不当な要求を防ぎ、公平なサロン運営を実現します。
新規顧客を獲得し続けるためには、Web上での情報発信が不可欠です。検索エンジン(ブログ/LP)、SNS(Instagramなど)、そして口コミサイトを連動させ、多角的なアプローチでサロンの魅力を伝え、潜在顧客との接点を最大化する戦略を立てましょう。
ブログやLP(ランディングページ)では、Googleが重視するE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を高めるコンテンツ作りを意識します。「男性の毛穴悩みの原因とリブセラでの改善事例」のように、悩みと解決策を具体的に示すことが専門性の証明です。監修者情報を明記し、お客様の声を掲載することで、権威性と信頼性を高めることができます。
Instagram、特にリール動画は、視覚的なインパクトで潜在顧客にアプローチするのに最適です。例えば、超音波洗浄で毛穴の汚れが浮き上がる様子や、施術後のツルツルな肌の質感を30秒程度の短い動画で見せることで、“毛穴の抜け感”をリアルに伝えられます。ビフォーアフターをテンポ良く見せる構成が、ユーザーの興味を引きつけ、来店動機に繋がります。
良い口コミは、何よりの広告塔です。口コミを依頼する最適なタイミングは、お客様が施術結果に最も満足している施術直後です。「もしよろしければ、今日の感想を口コミサイトに投稿いただけませんか?」と、自然にお願いしましょう。ただし、過度なインセンティブ(大幅割引など)は、口コミの信頼性を損なう可能性があるので注意が必要です。
メンズメニューの導入は、多くのサロンで成功を収めています。ここでは、弊社のお客様の中から、特に女性オーナー様が男性新規客の獲得に成功した代表的なパターンを3つご紹介します。自店の状況と照らし合わせ、成功のイメージを具体的に掴んでください。
自宅やマンションの一室で運営する個人サロン様では、既存のフェイシャルメニューに、男性向けのオプション(例:皮脂抑制パック、眉カット)を追加しました。結果、客単価が平均2,000円アップ。さらに、これまで予約が少なかった平日夜の時間帯を男性専用枠にすることで、サロン全体の稼働率を大幅に改善することに成功しています。
スタッフ2名・ベッド2台で運営するサロン様は、フェイシャルで来店した男性客にヒゲ脱毛を提案し、セットの回数券を販売する戦略を徹底。一度の来店で終わらせず、中長期的な関係を築くことで、顧客生涯価値(LTV)を大幅に向上させました。安定したリピート客の確保は、小規模サロンの経営を力強く支えています。
駅近の好立地にあるサロン様は、既存の女性客への配慮を最優先し、平日の夜と土曜の午前を完全に男性専用としました。時間帯で明確に分けたことで、女性客は一切気まずさを感じることなく、安心して通い続けています。結果、女性客の離反ゼロを維持したまま、男性という新たな顧客層の獲得に成功しました。
ここでは、男性のお客様から、あるいは導入を検討されているオーナー様からよくいただく質問にお答えします。事前に疑問点を解消しておくことで、お客様は安心して来店でき、オーナー様は自信を持ってサービスを開始することができます。
この質問には、毅然かつ明確に回答する必要があります。「申し訳ございません、当サロンはリラクゼーションや治療を目的とした施設ではなく、肌質改善を目的としたエステティックサロンです。そのため、性的サービスは一切行っておりません」と、丁寧にお断りするテンプレートを用意し、スタッフ全員で共有しておきましょう。
施術による痛みやダウンタイムは、お客様が最も気にされる点の一つです。例えば「ヒゲ脱毛は輪ゴムで弾かれるような軽い刺激がありますが、冷却機能で和らげます」「施術後、少し赤みが出ることがありますが、数時間で引く方がほとんどです」と、事前に正直に伝えましょう。丁寧なアフターケア指導が、お客様の安心感に繋がります。
お客様の肌質や悩みによって、最適な機器は異なります。「乾燥肌の方には保湿導入が得意なリブセラ、たるみが気になる方にはWINBACKがおすすめです」といったように、機器ごとの特徴を分かりやすく説明しましょう。また、「効果を定着させるため、最初の3ヶ月は月1回のペースでのご来店が理想です」など、具体的な施術間隔の目安を提示することも重要です。
メンズ顔エステをスムーズに導入するために、必要な規約や備品をチェックリストにまとめました。このリストを活用し、準備に漏れがないかを確認してください。安全で質の高いサービスを提供するための、はじめの一歩です。
お客様に安心してサービスを受けていただき、スタッフを守るための書類やルールです。
お客様を迷わせず、スムーズに予約・来店していただくためのツールです。
安全で効果的な施術を提供するための、現場レベルでの準備項目です。