エステサロンのリピート率を劇的に伸ばす方法をプロが解説!平均・目標・KPIとは?

この記事の監修者

㈱イレブン技術商品部 部長
インストラクター
村上 琴音(ムラカミ コトネ)

株式会社イレブンで商品開発とインストラクターを担当。資格と現場経験を活かし、個人サロンの成長を支援しています。

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「新規集客はできているのに、なぜか売上が安定しない…」多くのエステサロン経営者様が抱えるこの悩みの根源は、実は「リピート率」にあります。広告費をかけて新規顧客を集めても、そのお客様が一度きりで離れてしまっては、経営は常に不安定なままです。この記事では、数々のサロンを成功に導いてきた弊社が、リピート率を科学的に分析し、最短で改善するための具体的な設計図と、明日から現場で使える実践的な施策を徹底解説します。

目次

エステサロンの「リピート率」とは?計算式・基準値の考え方

サロン経営を安定させる上で最も重要な指標が「リピート率」です。これは単に来店回数を測るだけでなく、お客様がサロンの価値を認めている証でもあります。まずはその定義を正しく理解し、自店の現状を正確に把握することから始めましょう。

リピート率の定義と計算式(初回→2回目/2回目→3回目の分解)

リピート率とは、一度来店したお客様が再度来店する割合を示しますが、重要なのは「段階別」に分解して考えることです。なぜなら、初回から2回目へのステップと、2回目から3回目(固定化)へのステップでは、お客様の心理や離脱原因が全く異なるからです。まずは全体のリピート率だけでなく、各段階の数値を把握し、どこに課題があるのかを明確にしましょう。

【主なリピート率の計算式】

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種類計算式
初回リピート率(期間内の2回目来店客数 ÷ 期間内の新規客数) × 100
全体リピート率(期間内のリピート客数 ÷ 期間内の総客数) × 100
顧客リピート率(期間内に2回以上来店した顧客数 ÷ 期間内の総顧客数) × 100

メニュー別・価格帯別に見る目標リピート率の目安

目指すべきリピート率は、サロンのメニューや価格帯によって大きく異なります。全てのサロンが一律の目標を目指すのは現実的ではありません。自店のサービス特性を理解し、それに合った目標を設定することが重要です。

【メニュー・価格帯別 目標値の目安】

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メニュー種別特徴目標指標目標値の目安
フェイシャル中価格帯・高頻度初回リピート率60%以上
痩身(高単価)高価格帯・コースコース継続率80%以上
脱毛長期・低頻度90日以内再来店率70%以上
リラクゼーション低~中価格帯・不定期顧客リピート率50%以上

なぜ「リピート率」を最優先で改善すべきか

新規集客への投資はもちろん重要ですが、それ以上にリピート率の改善はサロン経営に劇的なインパクトを与えます。少ない労力で売上を最大化し、安定した経営基盤を築くための最重要課題と言えるでしょう。その理由を具体的に解説します。

集客コスト(CAC)の削減とLTV最大化

リピート率の改善は、集客コスト(CAC)を大幅に削減し、顧客生涯価値(LTV)を最大化する最も効果的な手段です。新規顧客の獲得には広告費や販促費がかかりますが、既存顧客の再来店にはほとんどコストがかかりません。いわゆる「1:5の法則」で示されるように、新規顧客獲得コストは既存顧客維持コストの5倍かかると言われています。リピーターが増えるほど、高コストな新規集key客への依存から脱却でき、利益率の高い安定した経営が実現するのです。

引用:中小企業庁「2018年版小規模企業白書」

客単価・セット提案率・物販比率の改善につながる理由

リピート率が高いサロンは、客単価も向上する傾向にあります。これは、お客様との信頼関係が深まることで、よりパーソナライズされた提案が受け入れられやすくなるためです。初対面のお客様に高額なコースや化粧品をお勧めするのは難しいですが、2回、3回と通っていただく中で肌の変化や悩みを共有できれば、オプションメニューの追加やホームケア商品の提案も自然に行えます。結果として、セット提案率や物販比率が向上し、顧客一人当たりの売上が大きく伸びていくのです。

売上予測の安定化とキャッシュフロー平準化

リピーターの存在は、サロン経営の売上予測を安定させ、キャッシュフローを平準化させる基盤となります。新規顧客の数は時期や広告効果によって大きく変動しますが、毎月来店してくれる固定客がいれば、売上の最低ラインを確保できます。これにより、「今月はリピーター様だけで〇〇万円の売上が見込める」という安心感が生まれ、スタッフの雇用や家賃の支払いといった固定費の不安が軽減されます。安定したキャッシュフローは、新たな設備投資や人材育成など、未来への戦略的な投資を可能にします。

リピート率が伸びない主な原因チェックリスト

「施策を打っているのに、なぜかリピートに繋がらない」と感じるなら、必ずどこかに原因が潜んでいます。まずは自店の状況を客観的に把握するため、以下のリストでチェックしてみてください。

【リピート率が伸びない原因チェックリスト】

  • 具体的な目標(初回→2回目〇%など)を設定していない
  • スタッフによって接客や技術レベルに差がある
  • お客様が効果を実感できる仕組み(写真比較など)がない
  • オンライン予約ができない、または予約サイトが使いにくい
  • お客様に「なぜ、いつまで通うべきか」を伝えていない
  • 価格やコース内容がお客様のニーズと合っていない
  • 来店後のフォロー(LINEなど)ができていない
イレブンからのアドバイス

多くのサロン様は技術や接客の向上に熱心ですが、意外な落とし穴が「予約のしやすさ」や「来店後のフォロー」といった顧客体験の“断絶”です。お客様は施術だけでなく、サロンに関わる全ての時間で満足度を判断しています。素晴らしい技術を活かすためにも、お客様の目線で全体の流れを見直してみましょう。

目標・KPI未設定(初回→2回目など段階別の未設計)

リピート率が伸びない最大の原因は、そもそも具体的な目標を設定していないことです。「全体でリピート率80%」といった曖昧な目標では、何をすべきか分かりません。「初回→2回目リピート率を60%にする」「90日以内再来店率を50%にする」など、段階的かつ具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定することが不可欠です。目標がなければ、現状の良し悪しも判断できず、改善のサイクルを回すことは不可能です。まずは、計測可能で具体的な目標設定から始めましょう。

体験の断絶…接客・技術・効果実感のばらつき

お客様が再来店しないのは、「期待していた体験」と「実際の体験」にギャップが生じた時です。特に、接客態度、技術レベル、そして施術効果の実感にスタッフ間のばらつきがあると、顧客満足度は著しく低下します。例えば、あるスタッフは丁寧なのに、別のスタッフは対応が雑だったり、施術後の効果が日によって違ったりすると、お客様はサロンへの信頼を失います。誰が担当しても一定以上の品質を提供できる体制の構築が、リピートの絶対条件と言えるでしょう。

【予約導線の摩擦】空き枠・同線・キャンセル待ち未整備

素晴らしい技術や接客を提供しても、予約が取りづらいというだけでお客様は離れてしまいます。「予約しようと思ったのに、いつも空きがない」「電話が繋がらない」「キャンセル待ちはできますか?」といった声はありませんか。お客様が「行きたい」と思った瞬間に、スムーズに予約できる環境を整えることが重要です。24時間対応のオンライン予約システムはもちろん、キャンセル待ち機能の導入や、リピーター様向けの優先予約枠の設定など、予約導線の摩擦を徹底的に取り除く工夫が求められます。

【ベネフィット提示不足】通う理由・頻度・期間が不明確

お客様がリピートしない理由の一つに、「なぜ、どのくらいの頻度で、いつまで通う必要があるのか」が不明確な点が挙げられます。施術後の効果に満足しても、その効果を維持・向上させるための具体的なプランがなければ、次回来店の動機は生まれません。「お客様の理想の状態になるためには、今後〇ヶ月間、月に〇回のペースでこの施術が必要です」といった、パーソナルな施術計画と、通うことによる未来のベネフィット(便益)を明確に提示することが不可欠です。

価格設計・コース設計・回数券のミスマッチ

提供価値と価格のバランスが取れていない、またはお客様のニーズに合わないコース設計になっている場合もリピート率は低下します。例えば、都度払いの価格が高すぎたり、逆に回数券の割引率が低くてメリットを感じられなかったりするケースです。また、お客様が求めているのは短期集中ケアなのに、長期のコースしか用意されていないといったミスマッチも離脱の原因になります。ターゲット顧客のニーズや支払い能力を考慮し、通い続けやすい価格やコース体系を設計することが重要です。

LINE/CRM未活用で適時フォローができていない

ご来店後のフォローが何もない状態では、お客様の記憶は時間と共に薄れてしまいます。特に施術後、肌の状態が変化しやすい数日間に適切なアドバイスを送ることは、信頼関係を深める絶好の機会です。しかし、LINE公式アカウントやCRM(顧客管理システム)を活用せず、人手頼りのフォローでは限界があります。「施術後24時間以内の御礼メッセージ」「1週間後の経過伺い」など、システムを活用して適切なタイミングでアプローチすることが、お客様との繋がりを維持し、再来店を促す鍵となります。

ファネル別に見る「リピート率」を上げる設計図

リピート率向上は、顧客のステージ(初回→2回目→固定化)に合わせて最適なアプローチを行うことで実現します。ここでは、顧客がファンになっていく流れをファネル(漏斗)に例え、各段階で効果的な施策を設計する方法を解説します。

初回→2回目⇒次回予約・処方箋提案・初回メニュー最適化

最も離脱しやすい初回から2回目へのステップでは、「次も来たい」と思わせる感動体験と、次回来店への明確な動線設計が鍵です。施術中に次回の提案を行い、会計時にその場で次回予約を獲得する流れを徹底しましょう。さらに、お客様一人ひとりに合わせた「肌質改善プラン」のような処方箋を提示し、プロとしての信頼を得ることが重要です。また、初回限定メニューを「効果実感」と「次回への期待感」を最大化できる内容に最適化することも、リピート率を大きく左右します。

2回目→固定化⇒コース化・ビフォーアフター可視化・レビュー活用

2回目以降のお客様を固定客にするには、「通い続ける価値」を実感してもらう必要があります。都度払いだけでなく、お客様の目標達成にコミットするお得なコースメニューを設計し、継続利用を促しましょう。また、施術前後の写真を比較して見せるなど、ビフォーアフターを可視化することで効果を客観的に伝え、満足度を高めます。さらに、お客様の喜びの声をレビューとして収集・活用し、他のお客様への信頼の証として提示することも、サロン全体の価値を高める上で非常に有効です。

失客予備軍の検知と再来店オファー

一度離れてしまったお客様や、足が遠のいている「失客予備軍」を放置するのは非常にもったいないです。CRMデータを活用し、「最終来店日から〇日経過したお客様」といった条件でリストを抽出し、ターゲットを絞った再来店オファーを送りましょう。単なる割引クーポンではなく、「〇〇様へ、以前お話しされていたお肌の調子はいかがですか?季節に合わせた新メニューをご用意しました」といった、特別感を演出するメッセージが効果的です。休眠顧客の掘り起こしは、新規集客よりも低コストで売上を確保できる重要な施策です。

すぐ実装できるリピート率アップ施策

リピート率向上のためには、理論だけでなく、現場ですぐに実践できる具体的なアクションが不可欠です。ここでは、日々のサロンワークに落とし込める「オペレーションの型」を8つご紹介します。明日からの業務にぜひ取り入れてみてください。

次回予約率を上げるトーク台本(クロージング3ステップ)

次回予約率を高めるには、施術後のクロージングトークが極めて重要です。まず【ステップ1:効果実感の共有】として「今日、〇〇がこれだけ変わりましたね!」と変化を一緒に確認します。次に【ステップ2:未来のベネフィット提示】で「この状態を維持・向上させるために、次回は〇週間後に〇〇をしましょう」と提案。最後に【ステップ3:行動の促し】で「よろしければ、今日一番お得な次回予約をお取りしますね」と自然に予約へと導きます。この3ステップを台本化し、全スタッフが実践することで予約率は劇的に改善します。

イレブンからのアドバイス

「次回予約をおすすめするのは、売り込みみたいで苦手…」というお声をよく聞きます。大切なのはマインドセットの転換です。次回予約の提案は「売上のお願い」ではありません。お客様が目指す「理想の未来」を実現するために、プロとして最適なプランを「提案する義務」だと考えてみてください。お客様への貢献が、結果としてサロンの売上に繋がるのです。

アフターフォロー設計:48時間・7日・30日のメッセージ例

ご来店後のフォローは、お客様との関係を深化させる絶好の機会です。タイミングを設計し、メッセージを自動化しましょう。計画的なフォローでお客様の記憶に残り続けましょう。

【計画的アフターフォローの例】

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タイミングメッセージ内容(例)目的
48時間以内御礼と施術後のお肌の調子伺い満足度確認、信頼関係構築
7日後効果を長持ちさせるホームケアのコツなどのお役立ち情報関係維持、専門家としての信頼獲得
30日前後「そろそろメンテナンスの時期ですね」という次回来店促進再来店促進(リマインド)

リピーター特典と紹介制度⇒値引き以外の“価値型”設計

リピーター様への感謝は、単なる値引きだけでなく「特別な価値」で示すことが満足度を高めます。「リピーター様限定のオプションメニュー無料体験」や「新商品の先行お試し」など、価格以外の特典は「大切にされている」という実感に繋がります。また、紹介制度も「紹介者様とお友達両方に、人気の〇〇(物販)をプレゼント」のように、金券や割引以外の魅力的なインセンティブを用意することで、質の高い口コミを生み出し、優良な新規顧客の獲得にも貢献します。

予約を取りやすくする仕組み⇒24時間予約・キャンセル待ち・枠設計

お客様の「行きたい」という気持ちを逃さないためには、予約のしやすさが不可欠です。24時間いつでも予約可能なオンラインシステムの導入は今や必須と言えるでしょう。さらに、満席時に自動で空きを通知してくれる「キャンセル待ち機能」を実装すれば、機会損失を防げます。また、「平日の午前中はリピーター様優先枠」のように、顧客属性に合わせて予約枠を戦略的に設計することも、優良顧客の満足度を高め、安定したサロン運営に繋がります。

接客品質の標準化:チェックシート/ロープレ/評価の仕組み

スタッフによる接客品質のばらつきは、リピート率低下の大きな原因です。これを防ぐためには、品質の標準化が欠かせません。「お客様入店時のお出迎え」「カウンセリング時のヒアリング項目」などを具体的に定めたチェックシートを作成し、全スタッフのサービスレベルを統一しましょう。定期的なロールプレイング研修で実践力を養い、評価制度と連動させることで、スタッフのモチベーション向上にも繋がります。安定した品質こそが、お客様の安心と信頼の基盤となるのです。

引用:厚生労働省「エステティック業における危害防止対策について」

顧客データ活用:タグ付け・セグメント配信・ダッシュボード運用

お客様一人ひとりに最適なアプローチをするには、顧客データの活用が不可欠です。CRMシステムを導入し、お客様の属性(年齢、肌悩みなど)や来店履歴、購入商品などに「タグ」を付けて情報を整理しましょう。これにより、「乾燥肌に悩む30代のお客様」といった特定のグループに絞って、パーソナライズされたメッセージを配信(セグメント配信)できます。顧客データをダッシュボードで可視化し、日々の営業活動に活かすことで、勘に頼らないデータドリブンなサロン経営が実現します。

SNS・LINE活用:友だち追加導線・リール/UGC・既存客向け配信

SNS、特にLINE公式アカウントは、既存顧客との関係を維持・強化するための強力なツールです。まず、店頭やウェブサイトでLINEの友だち追加を促す導線を徹底しましょう。Instagramでは、施術のビフォーアフターをまとめたリール動画や、お客様の投稿(UGC)を紹介することで、サロンの魅力を効果的に伝えられます。LINEでは、新規向けの情報だけでなく、既存のお客様限定のキャンペーンや美容豆知識を配信することで、ブロック率を防ぎ、来店意欲を高めることができます。

美容機器×運用で“結果の実感”を早める:測定・可視化・ホームケア提案

お客様がリピートする最大の理由は「効果を実感できること」です。最新の美容機器を導入するだけでなく、その効果を最大限に引き出す運用が重要になります。例えば、肌診断機や体組成計を用いて施術前後の数値を測定し、変化をグラフなどで「可視化」してお客様と共有しましょう。客観的なデータは納得感と満足度を飛躍的に高めます。さらに、サロンでの効果を自宅でも維持できるよう、機器と連動したホームケア商品を提案することで、物販購入と次回来店への動機付けが強化されます。

指標設計と改善サイクル(エステサロン版グロース運用)

リピート率改善は、一度施策を打って終わりではありません。正しい指標(KPI)を設定し、データに基づいて仮説検証を繰り返す「グロース運用」の考え方が不可欠です。ここでは、サロン経営を成長させ続けるための仕組みづくりを解説します。

追うべき4指標:初回リピート率/90日継続率/解約率/LTV・CPA

多くの数値を追う必要はありません。サロンの成長を測るためには、主に4つの重要指標に注目しましょう。

  1. 初回リピート率
    初回のサービス満足度を測る指標
  2. 90日継続率
    お客様が中期的にファンになっているかを測る指標
  3. 解約率(チャーンレート)
    顧客が離反している度合いを測る指標
  4. LTV(顧客生涯価値)とCPA(顧客獲得単価)
    事業全体の収益性を測る指標

これらの指標を定点観測することで、サロンの健康状態を正確に把握し、課題に対する的確な打ち手を考えることが可能になります。

イレブンからのアドバイス

データ分析と聞くと難しく感じるかもしれませんが、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは「初回リピート率」だけでも構いませんので、毎月手計算で記録することから始めてみてください。数値を意識するだけで、スタッフの行動は必ず変わります。小さな一歩が、データに基づいた経営改善の大きな一歩になるのです。

スプレッドシートで作る簡易ダッシュボードの構成例

高価なツールを導入しなくても、GoogleスプレッドシートやExcelで簡易的なダッシュボードを作成できます。構成はシンプルで構いません。まず、縦軸に「月」、横軸に「新規客数」「2回目来店客数」「総客数」「売上」などの基本データを入力します。そこから、「初回リピート率」「全体リピート率」「客単価」といった重要指標を関数で自動計算されるように設定しましょう。これをグラフ化するだけで、サロンの状態が視覚的に把握でき、チーム全員で課題を共有するのに役立ちます。

週次ミーティングの進め方:仮説→実装→検証のPDCA

データをただ眺めるだけでは意味がありません。週に一度、チームで数値を元にしたミーティングを行い、改善のサイクル(PDCA)を回しましょう。

STEP
Plan:計画

データを見て「初回リピート率が低いのは、アフターフォローが弱いからではないか」という仮説を立てる。

STEP
Do:実行

「今週は全員、施術後3日以内に御礼LINEを送る」というアクションを決め、実行する。

STEP
Check:評価

翌週のミーティングで、数値の変化を検証する。

STEP
Action:改善

効果があれば継続、なければ新たな仮説を立てる。この繰り返しが、サロンを確実に成長させます。

事例:イレブンのコンサル支援で「リピート率」を改善したケース

理論や施策だけでなく、実際に成功したサロンの事例は大きなヒントになります。弊社のコンサルティング支援を通じて、リピート率の大幅な改善に成功した3つのサロン様のケースをご紹介します。

【改善事例サマリー】

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サロン種別課題改善施策結果(リピート指標)
フェイシャル専門店初回リピート率の低迷(35%)予約導線の再設計、次回予約トークの徹底初回リピート率 62%
痩身サロンコース契約後の離脱率の高さ効果の可視化、目標達成にコミットするコース設計コース継続率 +20ポイント
脱毛サロン新規集客の広告費高騰“価値型”の紹介制度設計、LINE活用紹介経由の新規比率が2倍

フェイシャル専門店:初回→2回目35%→62%(予約導線の再設計)

都心で展開するこのフェイシャル専門店は、技術力は高いものの、初回リピート率が35%と伸び悩んでいました。原因を分析したところ、お客様が予約したいと思った時に空き枠がない「機会損失」が多発していることが判明。そこで、オンライン予約システムの最適化と、リピーター向けの先行予約枠を設計。さらに、施術後の次回予約獲得トークを徹底した結果、わずか3ヶ月で初回リピート率は62%まで改善し、売上の安定化に成功しました。

痩身サロン:コース化&効果可視化で継続率+20pt

高単価な痩身メニューを提供するこのサロンでは、お客様が効果を実感する前に離脱してしまうことが課題でした。そこで、お客様の目標達成にコミットする3ヶ月間の集中コースを新たに設計。さらに、毎回の施術で体組成計のデータをグラフ化し、お客様と一緒に変化を確認する「効果の可視化」を徹底しました。これにより、お客様のモチベーションが維持され、コースの継続率は以前より20ポイントも向上。客単価とLTVの大幅アップを実現しました。

脱毛サロン:紹介比率2倍で新規依存からの脱却

広告費の高騰に悩んでいたこちらの脱毛サロン。リピート率は安定していましたが、次なる一手として「紹介」に着目しました。従来の値引きクーポンではなく、「紹介した方・された方両方に、人気の保湿ジェルを1本プレゼント」という“価値型”の紹介キャンペーンを設計。さらに、お客様が友人に紹介しやすいLINEショップカードを導入しました。結果、紹介経由での新規顧客比率が2倍になり、広告費を削減しながら質の高いお客様を集める好循環を生み出しました。

よくある質問(FAQ):エステサロンのリピート率向上

ここでは、サロン経営者様から特によくいただくリピート率に関するご質問とその回答をまとめました。皆様の疑問や不安の解消に繋がれば幸いです。

平均リピート率は何%を目標にすべき?小規模サロンの目安

一概に「平均は何%」とは言えませんが、一つの目安として、まず「初回→2回目リピート率60%」を目指すことをお勧めします。特に小規模サロンでは、一人ひとりのお客様と密な関係を築きやすいため、大手よりも高いリピート率を実現できる可能性があります。60%を超えれば、初回のサービスに満足いただけている証拠です。そこから、3回目、4回目と繋げていくための施策を考え、最終的には80%以上の顧客が定着する状態を目指しましょう。

値引きは本当に必要?“条件付き特典”で満足度を下げない工夫

安易な値引きはサロンの価値を下げ、価格でしか判断しない顧客層を集めてしまうリスクがあります。値引きを完全に無くすのが理想ですが、導入する場合は工夫が必要です。例えば、「次回予約をその場でお取りいただいた方限定で5%オフ」や「平日15時までのご来店でオプション1つ無料」のように、“条件付き”の特典にしましょう。これにより、お客様は「条件をクリアしたから得をした」と感じ、満足度を下げずにサロン側が望む行動(次回予約や平日来店)を促すことができます。

人手が少なくてもできる最小実装の優先順位

人手不足のサロン様がリピート率改善に取り組む場合、優先順位付けが重要です。まずは、最も費用対効果が高い施策から着手しましょう。

  1. 【最優先】会計時の次回予約獲得
    特別なツールは不要で、トークスクリプトを改善するだけで、すぐに効果が出ます。
  2. 【次に】LINE公式アカウントでのステップ配信設定
    一度設定すれば、ご来店後のフォローが自動化でき、少ない労力で顧客との関係を維持できます。
  3. 【余裕があれば】顧客データの簡易的な記録
    お客様の悩みや会話内容をカルテにメモしておくだけでも、次回のパーソナルな提案に繋がります。

まとめ

本記事では、エステサロンの経営を安定させるための鍵となる「リピート率」について、その重要性から具体的な改善策までを網羅的に解説しました。リピート率の改善は、売上向上だけでなく、サロンのブランド価値を高めることにも繋がります。

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この記事を書いた人

イレブンのメディア事業部は、美容業界の最新トレンドや製品情報を取材・編集し、自社メディアやSNSで分かりやすく発信。サロン経営者とエンドユーザーを繋ぐ情報ハブとしてブランド価値と売上向上を継続的にサポートします。

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