エステサロンオーナー必見|業務用プラズマ美容機器導入のメリットと選び方

この記事の監修者

㈱イレブン技術商品部 部長
インストラクター
村上 琴音(ムラカミ コトネ)

株式会社イレブンで商品開発とインストラクターを担当。資格と現場経験を活かし、個人サロンの成長を支援しています。

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近年、エステティックサロンや医療現場で注目されているのがプラズマ美容機器です。プラズマは固体・液体・気体に続く第四の状態で、イオン化された気体を指します。医療分野では手術器具の滅菌や創傷治療に利用されてきましたが、美容業界では肌の再生を促す先進的なトリートメントとして急速に普及しています。本記事ではプラズマ美容機器の仕組みや科学的根拠、選定ポイント、おすすめ機種をまとめ、サロンオーナー様が導入を検討する際の指針を提供します。

目次

プラズマ美容機器の仕組み

プラズマとは

プラズマは、物質にさらにエネルギーを与えて電子を放出させたイオン化ガスで、多くの宇宙物質がこの状態にあると言われています。近年は低温プラズマ技術が発達し、食品や医療器具の滅菌・殺菌に活用されています。美容分野では、プラズマが肌表面の古い角質や細菌を除去し、肌本来の再生力を高める作用が注目されています。

プラズマ美容機器の働き

プラズマ美容機器は電離したガスを肌に照射することで、以下のような作用をもたらします:

  • 殺菌作用・抗炎症作用
    プラズマは細菌の分子構造を破壊する一方で、ヒト細胞には有益な刺激を与えて細胞再生を促します。そのためニキビや肌荒れの改善に効果が期待できます。
  • 薬剤浸透力の向上
    プラズマが細胞接着分子(CAMs)を一時的に切断し、細胞間に隙間を作ることで、塗布した美容成分や薬剤の浸透率が飛躍的に高まります。
  • 電位バランスの正常化
    プラズマエネルギーは肌細胞の膜電位を整え、免疫力を高め自己治癒力を引き出すため、エイジングケアに有効です。
  • コラーゲン生成の促進
    真皮層で水分子の循環を刺激し、コラーゲンや線維芽細胞の生成を促進することで、ハリや弾力を与えます。

これらの作用により、プラズマ美容機器は従来のイオン導入や超音波導入では難しかった深部へのアプローチを可能にし、肌質改善やエイジングケアの効果を高めています。

EMSとの組み合わせ

一部のプラズマ美容機器には**EMS(Electrical Muscle Stimulation)**機能が搭載されています。EMSは筋肉を電気刺激で収縮させる技術で、表情筋に働きかけることでシワやたるみをケアし小顔へ導きます。グローブ式のプラズマ機器では指先からプラズマとEMSを同時出力できるため、施術時間を短縮しながらリフトアップ効果も得られます。

プラズマ美容の科学的根拠

臨床研究と効果

医療用プラズマ機器を用いた臨床研究では、プラズマ照射が皮膚の殺菌と微生物バランスの改善に有効であることが示されています。日本の研究では、ニキビやアトピー性皮膚炎の患者に窒素プラズマ装置「NeoGen Plasma Skin Regeneration」を使用し、照射前後で皮膚常在菌のバランスを解析しました。その結果、照射24時間後にはPropionibacterium acnes(アクネ菌)が31.2%から16.2%に減少し、シンプソン指数(多様性指標)が改善するなど、皮膚マイクロバイオームのバランス改善が確認されました。研究では「プラズマ治療は殺菌効果と常在菌バランスの改善効果があり、さらなる研究が望まれる」と結論づけています。

引用元:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12124463/#:~:text=Results

また低温プラズマは従来の高温プラズマと異なり、熱ダメージを与えずに短いパルスのエネルギーを肌に届けるため、コラーゲン生成や肌の引き締め効果が期待されます。FDA承認の「Portrait® Plasma Skin Regeneration」は窒素ガスをイオン化してミリ秒単位のプラズマパルスを皮膚に送り、古い表皮細胞を除去しながら真皮層でコラーゲン生成を促します。低エネルギー照射(1〜1.2 J)を数週間おきに行うPSR1と、高エネルギー照射(3〜4 J)を1回または2回行うPSR2/PSR3があり、高エネルギーの方が皮膚の引き締め効果が大きいと報告されています。このように、プラズマは安全性と効果を両立し、肌の再生やエイジングケアに対して科学的な裏付けを持つ技術として注目されています。

プラズマシャワーのメカニズム

美容クリニックで導入されているプラズマシャワーは、低温大気圧プラズマをシャワー状に照射する施術です。プラズマが細菌を破壊し、細胞接着分子を一時的に切断することで美容成分の浸透率を高めるほか、膜電位を整え老化した皮膚を引き締めるなど、多層的な作用が報告されています。プラズマはレーザーや光治療と異なり皮膚や血液への衝撃が少なく、痛みやダウンタイムがほとんどないのも特徴です。

機器選びのポイント

業務用プラズマ美容機器を選ぶ際は、以下の点を重視すると良いでしょう。

  1. プラズマ方式と出力調整
    低温プラズマかどうか、ガスの種類(窒素・アルゴンなど)やエネルギー出力の調整幅を確認しましょう。医療分野で使用される装置では窒素プラズマによる安全なトリートメントが実証されています。
  2. 照射方式・ハンドピースの種類
    グローブ式でプラズマとEMSを同時出力できるものや、多種類のチップを交換して目的に合わせて施術できるものがあります。
  3. 追加機能
    EMSやラジオ波、イオン導入などを搭載した複合機は、リフトアップや引き締め効果を同時に得られ、施術メニューの幅が広がります。
  4. 操作性と施術時間
    グローブ式機器は手技との組み合わせがしやすく、施術時間を短縮できるとされています。施術時間が短いほど客回転率が高くなり、売上向上につながります。
  5. 本体サイズ・重量と価格
    サロンの施術スペースに合うコンパクトさや重量、予算に合った価格を確認してください。保証期間やアフターサービスの有無も重要です。

おすすめプラズマ美容機器

プラズマスター (株式会社AKメディカル)

スクロールできます
項目内容
特徴プラズマ+EMS+手技を組み合わせたハンドプラズマメソッドにより、シミ・シワ・たるみなど様々な肌悩みに対応。肌細胞の再生力を強化し、電位バランスを整え、有効成分を深部まで届ける4つのポイントが特徴。
出力方式グローブ式。5本の指先からプラズマとEMSを同時出力可能で、EMS特有のピリつきが少なくリラクゼーション効果が高い。
施術時間20分程度の短時間でシワ改善や二重あごの解消など即効性メニューを提供可能。
対象サロンフェイシャルメニューを強化したいサロン、小顔メニューやエイジングケアコースを提供したいサロン。

プラペンデュアル (ワールドジャパン)

項目内容
特徴ガスを活性化させてイオン化した濃縮プラズマを生成し、複数のハンドピースと2種類のプラチナチップで肌に照射するフェイシャル専用機器。ニキビ、シミ、シワ、たるみ、くすみなどの改善に対応する次世代トリートメント。
サイズ・重量44.3×22.1×35.8 cm、重量4 kgとコンパクト。
価格約253万円(税込、2025年時点)。
対象サロンプラズマシャワーや特殊フェイシャルメニューを取り入れたいサロン、スペースに余裕のない小規模サロン。

その他注目機種

  • プラズマシャワー(Plasma BT)
    美容皮膚科で使用されている低温大気圧プラズマシャワー。細菌を除去し、薬剤の浸透率を高め、膜電位の正常化やコラーゲン生成を促進するメカニズムが明らかになっています。痛みやダウンタイムが少なく、ニキビ・美白・毛穴の引き締め・小ジワ改善・エイジングケアに効果が期待できる。
  • 複合型機器
    痩身や脱毛機能も備えた複合型機器が多数登場しており、EMSやラジオ波、吸引などと組み合わせた施術が可能です。多機能な機器は客単価アップや施術メニューの幅を広げることにつながりますが、コストとスペースを考慮する必要があります。

導入時の注意点とサロンオペレーション

  1. 安全性と認証
    医療機器クラスのプラズマ装置は安全性が高い反面、医師の監督下でのみ使用が認められる場合があります。サロン向け機器でもメーカーが提示する施術手順や注意事項を遵守し、皮膚疾患のある顧客には医療機関への相談を促しましょう。
  2. スタッフ教育
    プラズマやEMSの基本原理、禁忌事項を理解したうえで施術することが重要です。導入時にはメーカーの講習会やデモを活用し、効果的な施術方法とアフターケアを学びましょう。
  3. 施術メニューの設計
    プラズマは美容液の浸透を促進するため、高機能美容液やビタミンC誘導体、トラネキサム酸などと組み合わせたコースを開発すると差別化につながります。EMS搭載機ではリフトアップや小顔コースをプラスすることで客単価を向上させられます。
  4. 価格とROI
    プラズマ機器は高額な投資となるため、購入費用だけでなくランニングコスト、保証期間、メンテナンスの可否を確認してください。短時間施術で高単価メニューを設定できるかどうかもROIに影響します。

まとめ

プラズマ美容機器は、細菌除去・薬剤浸透・電位バランスの正常化・コラーゲン生成など多方面から肌に働きかける次世代トリートメントです。臨床研究ではプラズマ照射によりアクネ菌などの減少や皮膚マイクロバイオームの改善が報告されており、美容クリニックでもニキビ改善や美白・エイジングケアへの有効性が認められています。サロン向けにはグローブ式でEMSを搭載した「プラズマスター」や、コンパクトで高出力の「プラペンデュアル」など多様な機器が登場しており、施術時間や機能、価格を踏まえて選定することが重要です。

株式会社イレブンでは、プラズマ美容機器のデモや導入支援を行っています。科学的根拠に基づいた先進機器を導入し、他店と差別化した魅力的なメニュー作りを検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

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