【プロ監修】エステサロン開業の流れ完全ガイド|女性オーナーが失敗しない12ステップ

この記事の監修者

㈱イレブン技術商品部 部長
インストラクター
村上 琴音(ムラカミ コトネ)

株式会社イレブンで商品開発とインストラクターを担当。資格と現場経験を活かし、個人サロンの成長を支援しています。

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エステサロン開業、おめでとうございます。夢を実現する流れを具体的にイメージできていますか?特に女性オーナー様が不安に感じる「安全対策」や「資金計画」は、開業前に押さえるべき最重要ポイントです。全国500サロン以上を支援してきた(株)イレブンが、開業までの全12ステップと、失敗しないための秘訣を徹底解説します。

目次

まず全体像:オープンまでのロードマップ

エステサロン開業は、思いつきではなく「段取り」が9割です。コンセプト設計から資金調達、物件選定、集客準備、そしてオープンまで、やるべきことは明確なステップに分解できます。この全体像(ロードマップ)を事前に把握することが、抜け漏れを防ぎ、最短距離で成功するサロンを創る鍵となります。

【開業までの12ステップ】

  1. コンセプトとターゲットの明確化
  2. 収益モデル設計とメニュー計画
  3. 開業費用の内訳と資金調達
  4. 物件選定と立地条件
  5. 事業計画書の作成
  6. 内装・インフラ要件の確定
  7. 機器選定
  8. 法令・衛生・契約類の整備
  9. 採用・研修と業務設計
  10. 集客準備(ブランド・導線設計)
  11. テスト運用と改善
  12. グランドオープンとKPI設定
イレブンからのアドバイス

まさに「段取りが9割」です。多くのサロン様を見てきましたが、成功する方は必ずこの12ステップを軽視しません。
特に「①コンセプト」と「③資金計画」は経営の土台です。このロードマップを一つずつ着実に実行することが、開業後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐ最短距離だと断言します。

コンセプトとターゲットの明確化(客層・悩み・提供価値)

全ての土台となるのが「誰に、何を、なぜ提供するのか」というコンセプトの明確化です。ターゲットを「美意識の高い30代男性」と設定するなら、「ニキビ跡や青ヒゲの悩み」に対し「清潔感と自信」という価値を提供します。この軸が曖昧だと、メニューも内装も集客も全てがブレてしまいます。特に女性専用からメンズメニューを導入する際は、「健全な美容サロンである」ことを強く打ち出すコンセプト設計が不可欠です。

収益モデル設計(客単価×来店頻度×継続率)とメニューの粗利計画

夢を実現するには、堅実な収益モデル(儲かる仕組み)の設計が必須です。客単価1万円で月1回、80%の方が継続するモデルを目指す、など具体的にシミュレーションします。そのために、粗利率の高い(原価の低い)メニューと、集客用の安価なメニューをどう組み合わせるかが重要です。特に、男性客は継続率を高めるのが難しいため、初回で満足させ、次回来店に繋げるための粗利計画が求められます。

開業費用の内訳と資金調達(自己資金・融資・補助金の当て方)

開業費用は「初期費用(物件、内装、機器)」と「運転資金(最低6ヶ月分の経費)」に分けて考えます。自己資金だけで賄うのが理想ですが、手元のキャッシュを残すためにも融資の活用を推奨します。日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、女性オーナーにも有利な条件が設定されている場合があります。どの費用に自己資金を充て、どこに融資や補助金を使うか、戦略的に計画しましょう。

引用:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

物件選定と立地条件(導線・視認性・競合距離・家賃比率)

物件選びは、開業後の集客と固定費を左右する最重要決定事項です。ターゲット層が通いやすい導線か、看板(視認性)は出せるか、近隣に強力な競合はいないか。これらを徹底的に調査します。特に女性オーナーが男性客を受け入れる場合、既存の女性客と鉢合わせしない「動線分離」が可能な間取りか、1階ではなく2階以上で「入りやすさ」と「プライバシー」を両立できるか、といった視点も重要になります。

事業計画書の作成ポイント(売上予測と損益分岐点)

事業計画書は、融資を受けるための「設計図」であり、ご自身の「経営の羅針盤」です。なぜこのサロンが成功するのか(コンセプトの強み)、売上予測(客単価×客数)、そして最低限必要な売上ラインである「損益分岐点」を、具体的かつ現実的な数字で示します。希望的観測ではなく、「最悪の場合」も想定した堅実な計画書こそが、金融機関の信頼を勝ち取り、開業後の冷静な経営判断にも繋がります。

内装・電力・給排水・換気の要件(機器選定と同時に詰める)

内装デザインは、機器選定と「同時」に進める必要があります。なぜなら、導入する美容機器によって必要な「電力容量(V数・A数)」や「コンセント位置」が全く異なるからです。特に痩身機器などは高電力が必要な場合が多く、後から電力工事を追加すると高額になります。また、シャワー設備が必要なら給排水工事、換気扇の位置も重要です。デザインの前に、まず「必要なインフラ要件」を確定させましょう。

機器選定の基準(目的別/回収期間/保守体制/PL保険)

美容機器は、サロンの「武器」であると同時に「最大の投資」です。選定基準は「最新だから」ではなく、「コンセプトに合っているか」「何ヶ月で投資回収できるか」です。また、万が一の故障時に即対応してくれる「保守体制(代替機など)」や、機器が原因の事故に備える「PL保険」が付帯しているかも必須確認項目。私たち(株)イレブンは、この保守体制こそがサロンの命綱だと考えています。

法令・衛生・契約類の整備(同意書・禁忌確認・個人情報対応)

サロン運営は、法律とルールの遵守が信頼の土台です。特にエステは医療行為との境界線が曖昧なため、「診断」や「治療」と誤解される表現は厳禁です。また、施術リスクを説明する「同意書」、アレルギー等の「禁忌確認リスト」、お客様情報を守る「個人情報保護方針」の整備は必須。衛生管理は自治体の指導に従い、お客様の安全を最優先する体制を整えましょう。

引用:厚生労働省「生活衛生対策」

採用・研修と業務設計(標準オペ/クロージング台本)

オーナー様お一人で始める場合も、いずれスタッフを採用する際のために「業務設計」は必要です。お客様をお迎えしてから、カウンセリング、施術、クロージング(次回予約・物販)、お見送りまでの一連の流れ(標準オペレーション)を確立させましょう。特に、回数券や物販をお勧めする「クロージング台本(スクリプト)」を整備することで、売上の安定化とスタッフ教育の効率化を両立できます。

集客準備(ブランド設計・MEO/Instagram/LINE/HP・予約導線)

オープン日には予約が埋まっている状態を作るのが理想です。そのためには、開業の最低1ヶ月前から集客準備を開始します。サロンの「顔」となるブランドロゴやWebサイト(HP)、Googleマップ対策(MEO)、ターゲット層に合わせたInstagram運用、そしてお客様と継続的に繋がるLINE公式アカウント。これらを準備し、「予約する」ボタンからスムーズに予約完了まで辿り着ける「予約導線」を確立させます。

テスト運用(友人枠トライアル→改善→価格最終確定)

内装や機器が揃ったら、いきなり本番ではなく必ず「テスト運用」を行います。友人や知人を「友人枠トライアル」として招待し、実際のオペレーション(受付からお見送りまで)を通しで実践しましょう。必ず「お客様目線」で厳しいフィードバックをもらい、「動線はスムーズか」「説明は分かりやすいか」「寒くないか」などを徹底的に改善します。ここで自信を得てから、最終的な価格を確定させます。

グランドオープンと初月KPI(予約率・再来率・物販比率)

いよいよグランドオープンです。しかし、オープン日は「ゴール」ではなく「本当のスタート」。初日から数字の意識が重要です。初月は「予約率(目標稼働率)」「再来率(次回予約率)」「物販比率」などの重要指標(KPI)を定め、毎日記録しましょう。この数字の積み重ねが、サロン経営の「健康診断」となり、早期に問題点を発見し、改善サイクルを回すための貴重なデータとなります。

女性目線の重要ポイント|安全・働きやすさ・続けやすさ

女性オーナー様、特に男性客を受け入れるサロンを開業する際、最も重要なのが「安全・働きやすさ・続けやすさ」という視点です。技術や売上以前に、ご自身とお客様を守る「環境整備」が経営の土台となります。性的サービスと誤解されないための「毅然としたルール作り」こそが、健全なサロン運営の鍵です。

防犯とトラブル予防(入退室管理・深夜予約・クレーム対応フロー)

女性オーナー様の安全確保は最優先事項です。ご自身の身を守り、誤解を防ぐために、以下の対策を徹底してください。

  • 防犯対策
    • オートロック物件や2階以上のフロアを選び、物理的な安全性を確保する。
    • 待合室や入口には「防犯カメラ作動中」と明示し、カメラを設置する。
    • オーナーお一人の場合、男性客の受付は日中のみに限定し、深夜予約は避ける。
  • 規約・ルール(最重要)
    • HPや同意書に「性的サービスは一切行わない健全な美容サロンである」旨を明記する。
    • 施術者への不必要な接触、暴言、威圧的な言動などの禁止事項を具体的に記載する。
    • 違反時は「施術を即時中断し、ご退店いただく(返金不可)」「悪質な場合は警察に通報する」旨を明確に示す。

働き方設計(立ち仕事負担・休憩動線・生理や体調変化を想定)

オーナー様自身が健康でなければ、サロンは続きません。立ち仕事の負担を軽減するスツールやマットの導入、お客様の目に入らない「休憩動線」の確保は必須です。また、女性特有の生理や体調不良時も想定し、無理なく働ける予約枠の設計を心がけましょう。ご自身の健康を「コスト」ではなく「最重要資産」と捉えた働き方設計が、長期的な成功に繋がります。

私物・更衣・パウダー導線(女性顧客のプライバシー確保)

女性顧客のプライバシー配慮は、リピート率に直結します。お客様が着替える「更衣スペース」と、メイク直しの「パウダールーム」は、施術室からの導線を最優先に設計します。特に、男性客と既存の女性客が鉢合わせしないよう、予約時間の分離や、待合室の設計には細心の注意が必要です。お客様が「自分だけの空間」として安心して過ごせる導線設計こそ、女性オーナーならではの強みとなります。

妊娠・産休・育休を見据えた店舗運営(代替オペ/権限委譲)

開業時は夢中で働けても、5年後、10年後には妊娠・出産などのライフイベントが訪れる可能性があります。オーナー様が倒れたら即廃業、という属人的な運営は非常に危険です。将来的にスタッフを採用し、ご自身が不在でもサロンが回る「代替オペレーション」や「権限委譲」の仕組みを今から意識しておきましょう。ご自身の人生設計と両立できる店舗運営こそが、本当の「成功」です。

肌トラブル時の初動と保険(同意書・記録・加入先の選定)

どれだけ注意しても、施術による肌トラブルのリスクはゼロにできません。万が一トラブルが発生した場合、最も重要なのは「初動」です。①すぐに施術を中止し、状態を記録(写真)、②お客様の話を真摯に傾聴、③提携皮膚科医への受診を促す、というフローを確立します。また、必ず「施術者賠償責任保険」に加入し、同意書のリスク説明と合わせて、ご自身を守る法的・金銭的な備えを万全にしてください。

開業費用と回収計画:いくら必要で何ヶ月でペイできる?

開業費用は「いくら必要か」だけでなく、「何ヶ月で回収(ペイ)できるか」という視点が不可欠です。高額な投資をしても、回収が遅れれば資金繰りは悪化します。必要な投資と削減すべきコストを見極め、最短で黒字化するための現実的な回収計画を立てるプロセスこそ、経営者の最初の仕事です。

初期費用の目安と削減術(内装・機器・広告・運転資金)

初期費用は、個人サロン(自宅・マンション)なら300万円〜、テナントなら1,000万円以上が目安です。主な内訳は以下の通りです。

  • 物件取得費…保証金、礼金、仲介手数料など(家賃の6〜10ヶ月分)
  • 内装・設備費…デザイン費、工事費、インフラ(電気・水道)工事費
  • 美容機器費…メイン機器、サブ機器、ワゴンなど
  • 備品・消耗品費…ベッド、タオル、化粧品、PC、制服など
  • 広告宣伝費…HP制作、チラシ、ポータルサイト掲載料など
  • 運転資金(最重要)…最低6ヶ月分の家賃・光熱費・消耗品費・生活費

最大の削減ポイントは「内装」と「機器」です。「内装」は居抜き物件を選び、「機器」はリースや中古(新古品)を活用するのも賢い選択です。ただし、運転資金だけは絶対に削減してはいけません。

損益分岐点と回収期間の試算(客単価・稼働率・原価率で管理)

【簡易シミュレーション表(例)】

前提条件

  • 固定費: 50万円(家賃、機器リース代、光熱費、通信費など)
  • 客単価: 10,000円
  • 原価(変動費)率: 20%(化粧品、消耗品など。1万円の売上に対し原価2,000円)
  • 限界利益(1人あたり): 8,000円(客単価10,000円 – 変動費2,000円)
スクロールできます
稼働状況月間客数売上変動費(20%)固定費利益
損益分岐点63人62.5万円12.5万円50万円0円
低稼働50人50万円10万円50万円-10万円
標準稼働100人100万円20万円50万円+30万円
高稼働150人150万円30万円50万円+70万円

資金調達の選択肢(信用金庫・制度融資・補助金のタイムライン)

資金調達は早めに動くのが鉄則です。融資の審査には1〜2ヶ月かかります。地域の信用金庫や日本政策金融公庫の「制度融資」は、金利面で優遇されることが多いため、第一候補となります。また、「小規模事業者持続化補助金」などは、集客(広告費)や内装費に使える可能性がありますが、申請から入金まで時間がかかります。どのタイミングでどの資金が必要か、タイムラインを引いて計画的に進めましょう。

引用:J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]「支援情報ヘッドライン」


物件と内装:小さく始めて伸ばせる設計

物件と内装は、サロンの「世界観」を伝える最も重要な要素です。しかし、最初から完璧を目指す必要はありません。大切なのは、コンセプトを体現しつつ、コストを抑え、将来の拡張性(スタッフ増員や個室増設)も視野に入れた「小さく始めて伸ばせる設計」にすることです。女性オーナーならではの細やかな配慮が光る空間を目指しましょう。

坪数別の最適レイアウト(個室数・待合・バックヤード)

坪数ごとに最適なレイアウトは異なります。10坪なら個室1+小規模な待合・バックヤード。15坪あれば個室2、または個室1+広いカウンセリング・パウダールームが可能です。重要なのは、お客様の快適性(待合・パウダールーム)と、スタッフの効率性(バックヤード・タオル動線)のバランスです。特に男性客と女性客の動線を分けたい場合は、個室2部屋以上を確保できる15坪以上が望ましいでしょう。

電力容量・配線・防音・換気で後悔しないチェック

物件契約前に「絶対に」確認すべきインフラ項目です。導入したい美容機器が「単相200V」を必要とする場合、その電力容量が物件に備わっているか。コンセントの位置はベッドの周りに十分か。特に男性客の声が響かないよう「防音性」は十分か(隣室の音も確認)。アロマや化粧品の匂いがこもらないよう「換気」は適切か。これらの確認を怠ると、契約後に高額な追加工事が発生し、後悔することになります。

写真映えと施術性の両立(照明・質感・色温度・機材配置)

内装は、お客様がSNSで発信したくなる「写真映え」と、オーナー様が施術しやすい「施術性」の両立が鍵です。パウダールームやエントランスは、間接照明や素材の質感で「非日常感」を演出。一方、施術室は、肌の状態が正確に見える「調色可能な照明(色温度)」を導入し、ワゴンや機材がスムーズに動かせる「配置」にします。このバランス感覚こそ、繁盛するサロンの共通点です。

メニュー・価格・物販:粗利とリピートを最大化

サロン経営の心臓部は、お客様を「リピート」させ、利益(粗利)を最大化するメニュー戦略です。新規のお客様を集める「フロントエンド商品(体験メニュー)」と、継続して利益を生む「バックエンド商品(回数券・物販)」の導線を設計すること。これが、広告費に依存しない安定経営を実現する唯一の道です。

“初回来店→継続”を設計する価格帯と回数券/サブスク

新規のお客様が最も重視するのは「価格」と「信頼」です。まずは、リスクなく試せる「初回体験価格」で集客し、施術の満足度と丁寧なカウンセリングで「信頼」を勝ち取ります。その場で「今日契約すればお得」な回数券や、月額制(サブスクリプション)を提案し、継続利用に繋げる導線を設計します。この「初回来店→継続」の流れをいかにスムーズに設計できるかが、売上の安定を左右します。

禁忌とリスクを踏まえた施術プロトコル(標準時間と前後ケア)

安全な施術は、信頼の最低条件です。メニューごとに、施術の手順(プロトコル)、標準時間、そして禁忌事項(アレルギー、持病、日焼けなど)を徹底的に定め、必ずお客様に説明し同意を得ます。特に男性客は、日焼けやヒゲ剃り直後など、女性とは異なるリスクを抱えている場合があります。施術前後のケア方法(保湿や鎮静)も標準化し、「安全第一」のオペレーションを徹底してください。

物販の導入比率とカウンセリング導線(クロスセルの設計)

物販(ホームケア用品)は、サロンの粗利率を劇的に改善する「第二の収益源」です。施術売上だけに頼らず、売上の20〜30%を物販で立てることを目指しましょう。ポイントは「売り込む」のではなく、カウンセリングで「お客様の悩みを解決する手段」として自然に提案すること(クロスセル)です。施術の効果を自宅で持続させるための「必需品」として、お客様に寄り添った提案導線を設計します。

機器選定のコツ|迷わないための比較軸

美容機器の選定は、開業準備で最も悩み、かつ楽しいプロセスです。しかし、ここで判断を誤ると、高額な「置物」を抱えることになります。迷わないための比較軸は「価格」ではなく、「目的(コンセプト)に合っているか」「投資回収できるか」「安全なサポート体制があるか」の3点です。

目的別(リフトアップ・痩身・肌質改善)と投資回収の考え方

まずはご自身のサロンの「目的(強み)」を明確にします。「リフトアップ」が強みならHIFU(ハイフ)、「痩身」ならキャビテーションやラジオ波、「肌質改善」ならハイドラ洗浄や光フォト。全てを揃える必要はありません。その機器を導入することで「客単価がいくら上がり、月に何人施術すれば、何ヶ月で元が取れるか」という投資回収の視点を必ず持って選定してください。

保守・保証・代替機・講習体制の有無(翌日稼働を実現する条件)

機器が故障した瞬間、サロンの売上はゼロになります。最も重要な比較軸は「保守体制」です。万が一の故障時に、メーカー(販売店)が「翌日」に対応してくれるか。修理期間中に「代替機」を貸し出してくれるか。そして、機器の効果を100%引き出すための「導入講習」が充実しているか。価格が安くてもサポートがなければ、結果的に高くつきます。

イレブンからのアドバイス

私たち(株)イレブンが最も重視しているのが、この「保守・講習体制」です。機器は精密機械であり、必ずメンテナンスが必要になります。その時、連絡が取れない、代替機が届くまで1週間かかる…では、オーナー様は機会損失とリース料の二重苦です。私たちは「サロンを絶対に止めない」体制こそが、機器販売店の最大の責務だと考えています。

㈱イレブンのサポート内容(導入講習/販促支援/トラブル時対応)

(株)イレブンは、機器を「売って終わり」にはしません。私たちの強みは、導入後の「伴走型サポート」です。①機器の効果を最大限引き出し、安全に使うための徹底した「導入講習」。②「この機器でどうやって集客するか」という「販促支援(POPや導入事例の提供)」。③万が一の故障や肌トラブル時の「迅速なトラブル時対応」。これら全てを含めて、オーナー様の黒字化までを一緒にサポートします。

集客の“初速”を作る:ゼロからの集客設計

どれだけ素晴らしいサロンを作っても、お客様に知ってもらえなければ売上は立ちません。開業直後の「初速」で集客を軌道に乗せることが、その後の経営を大きく左右します。ゼロからの集客は、お金をかける「広告」ではなく、知恵と手間をかける「資産型集客(MEOやSNS)」から始めるのが鉄則です。

MEOと口コミの立ち上げ(写真・カテゴリ・レビュー施策)

今、最も費用対効果が高い集客がGoogleマップ対策(MEO)です。「地域名+エステ(+メンズ)」で検索した際、上位に表示されることは絶大な効果があります。まずはGoogleビジネスプロフィールに登録し、内装や施術の「写真」を充実させ、適切な「カテゴリ」を設定します。そして、テスト運用(友人枠)の段階で、質の高い「レビュー(口コミ)」を集める施策(レビューのお願い)を必ず実行してください。

Instagram運用(UGC/リール企画・ハイライト・導線設計)

Instagramは、サロンの「世界観」を伝える最強のツールです。単に施術写真を並べるだけでなく、オーナー様の「人柄」が伝わる投稿や、お客様の悩みに応える「お役立ち情報」をリール動画で発信しましょう。お客様が自らタグ付けしてくれる投稿(UGC)を生む仕掛けも重要です。「メニュー」「アクセス」「ご予約」などは「ハイライト」にまとめ、プロフィール欄から予約導線にスムーズに誘導します。

HPと予約導線(CTA配置・予約フォーム・チャット/LINE連携)

HP(ホームページ)は、サロンの「信頼の証」です。お客様が知りたい情報(メニュー、価格、アクセス、オーナーの想い)を分かりやすく配置し、最終的に「予約する」ボタン(CTA)へ導きます。予約フォームは、入力項目が多すぎると離脱の原因になります。LINEと連携させ、チャットで気軽に問い合わせや予約ができるようにするなど、お客様の手間を極限まで減らす「スムーズな予約導線」を設計しましょう。

商圏戦略とチラシ/ポスティング(地図セグメントと訴求)

Web集客と並行し、アナログな「商圏戦略」も有効です。サロンから半径1〜2km圏内を「A商圏」とし、ターゲット層(例:男性単身者)が多く住むマンションや地域を地図上でセグメントします。そこに「初回体験」や「メンズメニュー開始」といった、地域住民に響く訴求を載せたチラシをポスティングします。Webを見ない層にもアプローチできる、地道ながら確実な集客手法です。

オペレーション構築:再来率を高める“体験の標準化”

リピート率(再来率)が低いサロンは、必ず「オペレーション」に問題があります。技術は良くても、受付の対応が悪かった、衛生面が気になった、会計がスムーズでなかった…など、お客様の「体験価値」を損ねているのです。再来率を高める鍵は、感動的な「体験を標準化」し、誰が対応してもミスなくスムーズに運営できる「仕組み」を作ることです。

受付→施術→会計→次回予約の標準オペ(スクリプト化)

お客様が来店してからお帰りになるまでの一連の流れ(標準オペレーション)を、細かく「スクリプト(台本)」に落とし込みます。「いらっしゃいませ」の言い方から、カウンセリングでの質問項目、施術中の声かけ、会計後の「次回予約」のお勧めに至るまで。この体験が標準化されることで、お客様は常に安心して施術を受けられ、スタッフ(将来の)によるサービスのムラも防げます。

イレブンからのアドバイス

多くのサロンが「技術研修」は熱心でも、「オペレーション研修」を軽視しがちです。しかし、お客様がリピートするか否かは「技術5割、それ以外の体験5割」で決まります。特に、会計後の「次回予約」の取り方は、サロンの売上を左右する最も重要なオペレーションです。私たちは、この「クロージングスクリプト」の作成支援にも力を入れています。


衛生管理・タオル回転・備品在庫(ムダとミスを減らす仕組み)

お客様の信頼を裏切る最大の要因が「不衛生」です。使用済みタオルが視界に入る、備品が切れている、といった小さなミスが不信感に繋がります。タオルの洗濯・乾燥・補充の「回転ルール」、化粧品や備品の「在庫管理(発注点)」を明確に定め、ムダとミスを減らす仕組みを構築します。特に男性客は、衛生面へのこだわりを(口に出さずとも)厳しくチェックしています。

クレーム・返金・事故時の手順(記録テンプレと報告系統)

クレームや事故は「必ず起こるもの」として、事前に対処手順(マニュアル)を整備しておきます。お客様からお申し出があった際、「誰が」「何をヒアリングし」「どう記録し(記録テンプレート)」「どう対応(返金・謝罪)するか」を明確にします。特に女性オーナーが男性客のクレームに対応する際は、感情的にならず、この手順書に沿って冷静に対応することが、ご自身を守り、問題を最小限に抑えることに繋がります。


開業スケジュール:90日タイムライン

開業は、オープン日から逆算した「90日(3ヶ月)タイムライン」で動くのが理想です。特に融資や内装工事は時間がかかるため、このスケジュール感がなければ、オープン日がズルズルと遅れてしまいます。以下の表を参考に、やるべきことを時系列で整理し、タスクを一つずつ確実にクリアしていきましょう。

【開業90日タイムライン】

3ヶ月〜2ヶ月前

  • 事業計画書を完成させ、融資を申請する
  • 物件を選定し、内定(仮押さえ)する
  • 導入する美容機器を選定し、リース審査を通す
  • サロンのコンセプト、メニュー、価格を正式に決定する
  • (スタッフを採用する場合)採用活動を開始する

2ヶ月〜1ヶ月前

  • 物件の本契約を結び、内装工事に着工する
  • 美容機器を正式に発注し、導入講習の日程を予約する
  • ベッド、タオル、化粧品などの備品・消耗品を発注する
  • ホームページ(HP)やInstagramなど、SNSアカウントを開設する
  • Googleマップ(MEO)登録や広告など、集客準備を開始する
  • 施術同意書、利用規約、カウンセリングシートなどの書類を整備する

1ヶ月前〜直前

  • 内装工事とインフラ(電気・水道・換気)の最終確認を行う
  • 美容機器をサロンに搬入・設置する
  • (必要な場合)保健所などの最終確認や届け出を済ませる
  • プロのカメラマンによる内装・施術・プロフィール写真を撮影する
  • 友人・知人によるテスト運用(プレオープン)を実施し、オペレーションを改善する
  • テスト運用期間中に、Googleマップなどへの口コミ(レビュー)を収集する

オープン当日チェックリスト(必須書類・機材・動線・写真)

オープン当日は、興奮と緊張で必ず抜け漏れが発生します。そうならないために、前日までに完了すべき「最終チェックリスト」を用意しました。お客様を万全の状態でお迎えし、最高のスタートダッシュを切るために、一つずつ確認してください。

必須書類・同意書・リスク説明資料の最終確認

お客様をお迎えするために法的に必要な書類のチェックです。

  • カウンセリングシート(十分な部数)
  • 施術同意書(リスク説明、禁忌事項、規約(男性客向け含む)を明記)
  • 個人情報保護方針(掲示用)
  • 料金表(お客様用・レジ用)
  • 領収書、お釣りの準備

これらがすぐに取り出せる場所に、十分な部数用意されていますか?

機器・消耗品・衛生備品の数と配置

サロンを運営するための「モノ」の最終チェックです。

  • 美容機器の電源は入り、正常に動作するか?
  • 化粧品、タオル、ガウン、ペーパーショーツなど消耗品は十分か?
  • 施術ワゴンは、効率的に動ける配置になっているか?
  • 消毒液、ペーパータオル、ゴミ箱などの衛生備品は適切に配置されているか?
  • BGM、アロマ、ドリンクサービスなどの準備は万全か?

SNS/HPの更新・写真撮影・初日KPI

お客様に来ていただくための「情報発信」のチェックです。

  • SNSやHPで「本日グランドオープン!」という告知は発信したか?
  • 予約システムは正常に稼働しているか?
  • 当日の様子(内装、お祝いの花など)を「写真撮影」する準備はできているか?
  • 初日の目標(KPI:売上、予約数、次回予約率)を再確認したか?

開業後のKPI管理:伸びるサロンの数字習慣

オープンはゴールではなくスタートです。成功し続ける「伸びるサロン」と、すぐに失速するサロンの違いは、「数字習慣(KPI管理)」にあります。感覚や「忙しさ」で経営するのではなく、客観的な「数字」に基づいて冷静に判断し、改善を続けるサイクルを習慣化することが最も重要です。

再来率・次回予約率・客単価・物販比率の目標値

最低限、この4つの数字は毎日管理すべきです。①再来率(リピート率):新規客が2回目に来てくれた割合。②次回予約率:お帰りの際に次の予約をされた割合(80%以上が理想)。③客単価:売上÷客数。④物販比率:総売上に対する物販の割合。これらに「目標値」を設定し、達成できたか否かを日々チェックする習慣が、経営体質を強くします。

広告依存からの脱却(紹介比率と口コミの増やし方)

毎月高額な広告費(ポータルサイトなど)を払い続ける経営は、利益を圧迫します。目指すべきは、広告費ゼロでもお客様が来てくれる「広告依存からの脱却」です。その鍵は「紹介比率」と「口コミ」です。お客様が思わず友人に紹介したくなるような感動体験を追求し、お帰りの際に「口コミ(Googleマップなど)をお願いする」オペレーションを徹底。この地道な活動が、最強の集客資産となります。

イレブンからのアドバイス

多くのオーナー様が「広告を出せばお客様は来る」と誤解しがちです。しかし、広告はあくまで「ドーピング」であり、根本的な体力(=サロンの魅力)がなければ続きません。私たちが支援する成功サロン様は、例外なく「紹介」と「口コミ」を増やす仕組みを持っています。広告費をかける前に、まず「今いるお客様」を感動させることに全力を注いでください。

月次レビューと改善サイクル(値上げ・メニュー再編)

毎月末、必ず「月次レビュー(振り返り)」の時間を取りましょう。今月のKPI(再来率や客単価など)はどうだったか。目標との差は何か。その原因は何か。来月はどう改善するか。この「レビューと改善サイクル」を回し続けることが経営です。予約が埋まってきたら、勇気を持って「値上げ」を検討したり、不採算の「メニューを再編」したりと、常にサロンをアップデートし続ける姿勢が重要です。

よくある質問(FAQ)

最後に、開業を目指す女性オーナー様から(株)イレブンに寄せられる「よくある質問」にお答えします。皆様の不安や疑問が、ここで解消されれば幸いです。

資格は必要?どこまでが施術可能?

エステサロン開業に、美容師免許のような「国家資格」は原則不要です。ただし、「医療行為」は医師法違反となります(例:シミを「消す」、ニキビを「治療する」といった診断・治療行為)。また、カミソリを使った「シェービング」は理容師免許が必要です。健全なエステ(リラクゼーション、美容目的)の範囲を厳守し、民間資格などで知識と技術を証明することが信頼に繋がります。

個人開業と法人設立の判断軸は?

最初は「個人事業主(開業届を出すだけ)」でスタートするのが最も手軽で、税務メリット(青色申告)も大きいです。売上が安定し、年間所得(売上から経費を引いた利益)が800万〜1,000万円を継続的に超えるようになってきたら、法人化した方が税金(所得税→法人税)や社会保険料の面で有利になるケースが多いため、そのタイミングで「法人成り」を検討するのが一般的です。

開業費用はいくら?黒字化までの期間は?

物件形態によりますが、個人サロン(自宅・マンション)で300万円〜、テナントで1,000万円以上が目安です。これには「運転資金(最低6ヶ月分の家賃や生活費)」を含みます。黒字化までの期間は、損益分岐点(固定費)の低さによります。個人サロンで固定費を抑えれば3〜6ヶ月での黒字化も可能ですが、テナントで高額な内装・機器を導入した場合、回収に1〜2年かかるケースも珍しくありません。

子育てと両立できる運営方法は?

可能です。それこそが女性オーナーとして独立する最大のメリットです。「完全予約制」にし、1日の施術人数を「3人まで」と限定する。営業時間を「10時〜16時」に設定し、土日は休む。このように、ご自身のライフスタイルに合わせて「働き方をデザイン」できるのが強みです。ただし、その分、客単価を上げる(高単価メニューを設計する)戦略が必須となります。

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この記事を書いた人

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