エステサロン開業支援ガイド|補助金・助成金・設備支援まで徹底解説

この記事の監修者

㈱イレブン技術商品部 部長
インストラクター
村上 琴音(ムラカミ コトネ)

株式会社イレブンで商品開発とインストラクターを担当。資格と現場経験を活かし、個人サロンの成長を支援しています。

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エステサロン開業の際にいろいろな支援を受けれるのご存じですか?「支援」と言っても、補助金や助成金など様々です。これらは返済不要の貴重な資金源。全国500サロンを支援してきた(株)イレブンが、サロンオーナー様が賢く活用できる制度と、失敗しない申請のコツを徹底解説します。

目次

エステサロン開業を支援する制度とは?補助金・助成金の基礎知識

開業支援制度は、国や自治体がオーナー様の挑戦を後押しする仕組みです。これらを活用しない手はありません。特に「補助金」と「助成金」は原則返済不要で、融資とは全く異なります。女性の起業を支える制度も豊富です。まずはこの基礎知識を身につけ、賢く資金を調達しましょう。

イレブンからのアドバイス

補助金は「後払い」が基本です。先に経費を支払う必要があるため、当面の資金繰りには注意しましょう。とはいえ、数百万円が戻ってくるメリットは絶大。ぜひ活用してください。

補助金と助成金の仕組みと目的の違い

この2つは「目的」と「受け取り方」が異なります。「補助金」は、事業計画書を提出し、審査で採択される必要のある「競争型」の支援金です。一方「助成金」は、主に雇用や労働環境改善が目的で、定められた要件を満たせば「原則受給できる」ものです。この違いを理解することが、適切な支援制度を選ぶ第一歩です。

補助金と助成金 詳細比較表

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比較項目補助金助成金
主な目的事業の成長・革新の促進 新しい取り組み(販路開拓、新商品開発、設備投資による生産性向上など)を国や自治体が後押しするための資金。多くは経済産業省系の予算。雇用の安定・労働環境の改善 雇用の創出、人材育成、労働条件の向上など、国の雇用政策に沿った取り組みを行う事業主を支援するための資金。多くは厚生労働省系の予算。
審査・受給要件審査あり(競争・採択式) 提出された事業計画書の内容に基づき、「事業の将来性」「政策目標との合致度」などが審査され、優れた計画が採択される。申請しても必ず貰えるわけではない。審査なし(要件確認) 法律で定められた支給要件(例:スタッフを正社員化する、育休制度を導入するなど)を満たしているかを確認。要件を満たせば原則として受給できる。
申請難易度高い 公募期間が限定され、予算と採択枠が決まっているため、競争になる。事業計画書の質や加点項目(例:賃上げ)の有無で採択率が大きく変動する。低い(ただし手続きは煩雑) 要件を満たせば受給できるが、申請書類が多く、提出期限や手順を正確に守る必要がある。不備があると受給できない。
申請タイミング原則として事業(経費支出)開始前に申請し、採択決定後に事業を開始する。事後申請は認められないことが多い。取り組み(例:正社員転換、制度導入)を実施した後に申請するケースが多い。事前に計画届が必要な場合もある。
具体例・小規模事業者持続化補助金 ・ものづくり補助金 ・IT導入補助金 ・自治体の創業補助金・キャリアアップ助成金 ・両立支援等助成金 ・人材確保等支援助成金 ・業務改善助成金
ポイント事業計画書の質が命。 「なぜその投資が必要で、どう売上/生産性を上げるか」を具体的に示す必要がある。要件理解と手続きの正確さが命。 「どの制度が使えるか」「いつ・何をすべきか」を正確に把握する必要がある。
イレブンからのアドバイス

補助金と助成金、賢く使い分けるのが成功の鍵です。補助金は計画書の「質」で採択が決まる競争。助成金は「要件」を満たせば貰えますが、どちらも原則「後払い」なので資金繰りに注意が必要です。最適な制度選びから複雑な申請まで、私たちイレブンがしっかりサポートしますので、ご安心ください。

返済不要だけど審査あり?支援金の受け取り方と注意点

支援金は「後払い」が原則で、返済不要なのが最大の魅力です。しかし、申請すれば誰でも貰えるわけではありません。補助金は事業計画の「審査」で採択・不採択が決まります。助成金も「要件」を満たす必要があります。また、採択決定後すぐに振り込まれるのではなく、先にご自身で経費を支払い、実績報告書を提出した後に入金されます。手元の資金が一時的に必要になる「後払い」という点を忘れないでください。

開業支援金と設備補助金の違いを理解しよう

支援金は「何に使えるか」が厳密に決まっています。「開業支援金(創業補助金など)」は、創業にかかる費用(店舗改装費、広告費など)を幅広く対象とすることが多いです。一方「設備補助金(ものづくり補助金など)」は、高額な美容機器やシステムの導入など、特定の「設備投資」に焦点を当てています。ご自身の計画が「幅広く開業準備」なのか「高額な機器導入」なのかで、狙うべき補助金が変わります。

エステサロンで使える補助金・助成金(2025年最新版)

主要補助金の概要比較表

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補助金名補助金額補助率対象者主な用途
小規模事業者持続化補助金通常枠:最大50万円
特別枠:最大200万円
2/3従業員5名以下の事業者エステ機器購入、広告費、店舗改装
ものづくり補助金750万円~最大1,250万円1/2~2/3中小企業・小規模事業者新規エステ機器導入、システム構築
IT導入補助金通常枠:5万円~450万円
デジタル化基盤:最大350万円
1/2~3/4中小企業・小規模事業者予約管理システム、POSレジ、顧客管理
中小企業省力化投資補助金最大1,500万円1/2中小企業等美容ライト脱毛機器、省力化設備
事業再構築補助金(第13回で終了)通常類型:100万~6,000万円1/2~2/3売上減少事業者業態転換、新事業展開

小規模事業者持続化補助金

補助金額・補助率

  • 通常枠:最大50万円(補助率2/3)
  • 賃上げ枠:最大200万円(補助率2/3)

対象者

  • 従業員数5名以下の小規模事業者
  • 個人エステサロン

利用条件

  • 販路拡大や生産性向上につながる取り組み
  • 商工会議所・商工会の支援を受けて事業計画を策定

対象経費

  • 業務用エステ機器・脱毛機の購入費
  • 広告宣伝費(チラシ、Web広告)
  • POPやパッケージデザイン費用
  • Webサイト制作費
  • 店舗改装費(一部)

申請スケジュール

第18回公募が進行中(2025年12月時点)

ものづくり補助金

補助金額・補助率

  • 通常枠:最大1,250万円(補助率:中小企業1/2、小規模事業者2/3)
  • 大幅賃上げ実施でさらに上限アップ

対象者

  • 中小企業・小規模事業者
  • 新しいサービス提供方法を開発する事業者

利用条件

  • 革新的な製品開発またはサービス提供方法の改善
  • 生産性向上・効率化につながる設備投資
  • 単価50万円以上の設備投資が必要
  • 賃上げや付加価値額増加の要件を満たす

対象経費

  • 最新エステ機器の購入
  • 業務用脱毛機・複合美容器の開発・導入
  • ITツールと連動した会員管理システム
  • 革新的な施術サービスのための設備

採択のポイント

「効率化」「短納期化」「生産性向上」「内製化」などのキーワードを事業計画に盛り込む

採択事例

  • 複合美容器開発およびITツール活用による会員制エステサービス
  • 高齢者向け送迎付きエステサービス
  • セルフエステパッケージの開発

IT導入補助金

補助金額・補助率

  • 通常枠:5万円~450万円(補助率1/2~2/3)
  • デジタル化基盤導入類型:最大350万円(補助率3/4)
  • セキュリティ対策推進枠:5万円~150万円(小規模事業者2/3)

対象者

  • 中小企業・小規模事業者
  • ITツールで業務効率化を図る事業者

対象経費

  • 予約管理システム
  • 顧客管理(CRM)ソフト
  • POSレジシステム
  • キャッシュレス決済導入
  • 会計ソフト
  • クラウドサービス

注意点

IT導入支援事業者に登録されているツールのみが対象

中小企業省力化投資補助金

補助金額・補助率

  • 最大1,500万円(補助率1/2)

対象者

  • 人手不足に悩む中小企業

利用条件

  • カタログに登録された製品の導入
  • 省力化・効率化につながる設備投資

対象機器

  • 美容ライト脱毛機器(2025年2月に追加)
  • エステティックシェイプアップ機器
  • フェイシャル機器
  • IoT機器・ロボット

特徴

カタログ注文型で、事前に登録された製品から選択する形式

地方自治体の創業助成金(東京都の例)

東京都創業助成事業

補助金額・補助率

  • 上限400万円、下限100万円(補助率2/3)
  • 最長2年間

対象者

  • 都内で創業予定、または創業後5年未満
  • TOKYO創業ステーション等の支援を受けている事業者

対象経費 

  • 賃借料(店舗家賃)
  • 広告費
  • 器具備品購入費(エステ機器含む)
  • 専門家指導費
  • 従業員人件費

注意点

  • 採択率は約15%前後と難易度が高い
  • 各自治体で同様の制度があるため、地域の創業助成金も要確認

補助金申請時の注意点

共通の注意事項

  1. 後払い制度
    • 補助金は後払いのため、先に全額支払いが必要
    • 入金まで2~3ヶ月程度かかる
    • キャッシュフロー計画を慎重に立てる
  2. 審査が必要
    • 補助金は審査があり、必ず受給できるわけではない
    • 事業計画書の質が採択を左右する
  3. 書類保存義務
    • 領収書や報告書の5年間保存が必要
    • 関連資料の適切な管理が求められる
  4. 返済不要
    • 補助金・助成金はいずれも返済不要

補助金審査に通りやすくするコツ

  1. 事業計画に合った補助金を選択
    • 各補助金の目的と自社の計画を一致させる
  2. 申請理由・事業計画を詳細に記入
    • 具体的な数値目標を含める
    • 革新性や独自性をアピール
  3. 必要十分な金額を申請
    • 上限額でなく、実際に必要な額を申請する方が採択されやすい
  4. 専門家のサポートを活用
    • 社労士や中小企業診断士に相談
    • 商工会議所の支援を受ける

その他利用可能な助成金

エステサロンでは機械導入以外にも、以下の助成金が利用可能です。

  • 人材確保等支援助成金(人材採用・労働環境改善)
  • キャリアアップ助成金(非正規雇用者の待遇改善)
  • 業務改善助成金(最低賃金引き上げ+設備投資)
  • 両立支援等助成金(育児・介護と仕事の両立支援)
  • 地域雇用開発助成金(雇用機会の少ない地域での採用)

まとめ

エステサロンで機械導入に使える補助金は多岐にわたります。特に小規模事業者持続化補助金ものづくり補助金は直接エステ機器購入に使えるため優先的に検討すべきです。また、2025年から美容ライト脱毛機器が省力化投資補助金の対象になったことも注目ポイントです。

補助金を最大限活用するには、事業計画の綿密な策定と、専門家のサポートを受けることが成功への近道です。ぜひ積極的に活用して、サロン運営の効率化と成長を実現してください。

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この記事を書いた人

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